韓国では18歳から29歳までの男性に、約18~21か月間の兵役の義務がある。その期間は社会から切り離され、過酷な訓練を受けるため、非常にセンシティブな話題だろう。
そもそもなぜ韓国には、徴兵制度があるのだろうか。それは、現在も朝鮮半島を舞台にした朝鮮戦争(1950年~1953年)が“休戦”状態だからだ。戦争は完全に終っておらず、今現在は休んでいる状態であるため、韓国と北朝鮮の間には常に軍事的緊張がある。だから国防のために兵役の義務が課せられているわけだ。
では、韓国の男性が兵役につく過程を追ってみよう。
そのはじまりは17歳から。韓国の男性は18歳になる年の1月1日から兵役義務が発生し、「第1国民役」に編入される。第1国民役とは、兵役に服務する義務者のこと。
そして、19歳になる年に、徴兵検査(2016年11月から「兵役判定検査」と呼ぶ)を受けることになる。住んでいる市にある施設で行われる徴兵検査では、心理検査や身体検査を受けて、その人が兵役につける健康状態にあるかどうかの判定が下される。本格的な専門医による検査もあるそうだ。
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ちなみに、JYJメンバーが徴兵検査を受けたのは、2011年2月頃との報道がある。
キム・ジェジュンが25歳、パク・ユチョンが24歳(25歳になる年)、キム・ジュンスが23歳のときにあたる。
一般的には19歳で徴兵検査を受けることから、一部では「芸能人の特権では?」との声も上がった。しかし、韓国の兵役法には、国外を往来する船舶の船員や、国外に滞在していたり居住したりしている人は徴兵検査を延期できると明記されている。ただのやっかみと言えそうだ。
徴兵検査を受けると、1~7級の判定が下る。1~3級は精神的・肉体的に「問題なし」ということで、兵役につくことに。2015年3月31日に入隊したJYJのキム・ジェジュンやSUPER JUNIORのソンミンらも、1~3級の判定を受けたわけだ。
4級は「補充役」と呼ばれる公益勤務につく。軍隊生活を送ることが困難な障害や怪我を持つ人、また家庭が貧しくて家族を養う必要のある人もここに含まれる。公益勤務も兵役のひとつだが、国家機関、地方自治団体、公共団体、社会福祉施設などで社会サービス業務や行政業務などの支援を担当する。通勤も自宅からだ。ちなみに、徴兵検査を受ける人たちの95%が、ここまで紹介した1~4級に分類されるという。
5級は、平常時の入隊や招集は免除されるが、戦時には勤労招集対象となる「第2国民役」に。
第2国民役の話が出たので、ここで一度立ち止まって、兵役の種類について見ていこう。