「満5歳から小学生に」、現場教師の94.7%が反対する韓国の“教育改革”とは

2022年08月08日 政治 #アンケート調査
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最近、韓国で新たな学校改革が推進されているのだが、現地では反発の声が大きい。

問題となった改革案は、「小学校入学年齢を満6歳から満5歳に1年早める」というものだ。十分な社会的議論を経た後の2025年から施行するという方針が出ている。また、すぐに施行すれば、5歳と6歳の子供が一度に入学して混乱が生じることがあることから、4年にわたって徐々に進む方案を検討しているという。

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現在、6歳未満の乳幼児保育は子供の家で、3歳から就学前の児童教育は幼稚園で分けて引き受けているが、これを統合して教育を強化して生まれたときから教育格差を解消するという趣旨だ。

なかば強引に推し進めようとする政策に、各地は大規模な反対デモが起っている。全国教職員労働組合のチョン・ヒヨン委員長は、「小学校満5歳入学政策は幼児が存分に飛び乗る権利を国家が奪った政策」とし、「その被害は幼児と保護者にそっくり与えられる」と批判。政府に撤回を求めた。

それに合わせて、全国の幼稚園・小学校・中学校・高校の教師たちも大多数が反対していることがわかった。8月1日に全国教員を対象にした緊急アンケートでは、同法案に対して89.1%が「断固反対」、5.6%が「反対」と答えた。反対比率は94.7%だ。

彼らが満5歳入学に反対する理由として、82.2%が「児童の情緒など発達段階と教育過程の難易度などをまったく考慮していない」と批判している。

韓国内でも「子育てをしたことがある人だったら、こんな改革を打ち出すわけがない」「無理に推進しようとするのは、個人的に児童手当や子育て手当を減らそうとしていると推測している」「これは本当に理解できない」「クレイジーな政府のクレイジーな政策」と痛烈な批判にさらされている。

これほど、強烈な反対者がいるなか、韓国政府はどういった結論を見いだすのだろうか。願わくば、意地やプライドよりも子供たちを第一に考えてほしいものだが…。

(文=サーチコリアニュース編集部)

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