韓国で女性議員を鈍器で10回以上殴打した中学生に、1審で執行猶予付きの懲役刑が言い渡された。
2月13日、ソウル中央地裁刑事26部(イ・ヒョンギョン部長判事)は、特殊傷害などの容疑で裁判にかけられたA君(15)に対し、懲役1年、執行猶予2年を言い渡し、保護観察を命じた。
裁判所は「被害者の頭部を鈍器で何度も殴打し傷害を負わせた点を考慮すると、犯行の手口や負傷部位の程度から見ても罪質は悪質であり、被害者からも許しを得られていない」と判示した。
また、裁判所はA君が心神喪失状態ではなく、心神耗弱状態だったと判断した。「被告側の弁護人は心神喪失を主張したが、事件当日に犯行現場に行くことになった経緯や、当時の供述内容などを考慮すると、心神喪失との主張は受け入れられない」と説明した。
刑法上、心神喪失状態とは物事の判断や自己の行動を制御する能力が完全に欠如した状態を意味し、心神耗弱はその程度が軽い状態を指す。
裁判所はA君が年少であること、家族がA君の精神疾患治療に積極的に取り組んでいること、犯行を認めていること、初犯であることなどを量刑の際に考慮した。
A君は2024年1月25日、ソウル市江南(カンナム)区の建物で、与党「国民の力」のペ・ヒョンジン議員の頭をコンクリート製の名刺サイズの石で15回殴打した容疑がかけられている。事件当時、A君は満14歳だった。
ペ議員は頭皮が裂けるなどの負傷を負い、3日間の入院治療を受けた。
調査の結果、その凶器はA君が自宅近くのアパート団地で拾ったものだと判明した。
また、A君はペ議員への暴行だけでなく、麻薬容疑で逮捕状請求が棄却され、麻浦(マポ)警察署を出てきた俳優ユ・アインにコーヒーを投げつけた人物であることも明らかになった。
A君への1審判決について、オンライン上では様々な意見が交わされている。
同日、最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表を刃物で襲撃した60代の男の懲役15年が最高裁で確定したことを踏まえて、「いや、李在明の襲撃犯とあまりに扱いが違うのではないか」「ペ・ヒョンジンは1年、李在明は15年。これが韓国の現実」「誰かは15年、誰かは執行猶予。あまりにも大きな差」といったコメントが目立った。
また、「いくら年齢が幼いとしても、あまりに量刑が軽すぎる」「石で15回も殴打して執行猶予とは」といった量刑に対する不満の声も多く寄せられた。
なお、ペ・ヒョンジン議員は元MBCアナウンサーで、2020年の総選挙で当選し政界入りした。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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