裁判所が尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の拘束取り消しを決定し、検察が即時抗告を放棄したことをめぐり、社会各界で激しい議論が交わされるなか、大検察庁が従来の立場に変わりがないことを再確認した。
検察の実務慣例に反する今回の裁判所の決定は不当ではあるものの、即時抗告よりも本案審理で争うという既存の方針を覆すことはできないという立場だ。
大検察庁は3月13日、立場文を発表し、「検察の立場には変わりがない」と強調した。
さらに、「拘束取り消し決定への異議申し立ての可否は、検察の業務範囲に属する」とし、「この問題について検察総長が捜査チームおよび大検察庁幹部会議などの意見を十分に聞き、慎重に検討した末に準司法的な決定を下した以上、いかなる外部の影響にも揺らぐべきではない」と述べた。
また、「拘束期間の算定に関する今回の裁判所の決定は、長年にわたり形成されてきた実務慣例に反しており、不当なものだ」と指摘。しかし「検察は、人身拘束に関する即時抗告を違憲と判断した憲法裁判所の過去の決定の趣旨や、『拘束期間に問題がなくとも、捜査過程の適法性に疑問の余地があってはならない』とする裁判所の判断を総合的に考慮し、即時抗告をせず、本案審理で是正することを決定した」と説明した。
大検察庁は「拘束期間の算定方法および拘束取り消しに関する即時抗告制度については、法律解釈の混乱や違憲性が生じないよう、関係機関と協議し、関連規定の迅速な整備を進める」と付け加えた。
今回の論争は、3月7日、ソウル中央地裁・刑事合議25部(チ・グィヨン部長判事)が尹大統領の拘束取り消しを決定したことを発端に始まった。
裁判所は、拘束期間は「日数」ではなく「実際の時間」で計算するべきであり、それに基づけば検察が尹大統領を起訴した時点では、すでに拘束期間が終了していたと判断した。
その後、検察が裁判所の決定に対する即時抗告を放棄し、釈放を指示したことで、尹大統領は拘束から52日後の3月8日、ソウル漢南洞(ハンナムドン)の大統領公邸に復帰した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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