韓国最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表の公職選挙法違反容疑に対する控訴審での無罪判決に不服として、検察が上告の方針を明らかにした。
【注目】韓国市民たちの怒り…「保守と進歩の対立」深刻77.5%
検察は、控訴審の裁判部が法理を誤解した違法があり、一般有権者の感覚とかけ離れた非常識な判断を下したと反発した。
ソウル中央地検は3月26日、「控訴審の裁判所の判断は、被告人(李在明代表)の発言に対する一般有権者の感覚とあまりにも乖離しており、経験則や常識に合致しない判断で、公職選挙法における虚偽事実公表罪に関する法理を誤解した違法がある」とし、「上告して最高裁で控訴審の違法を是正できるよう措置を取る予定だ」と明らかにした。
検察は、「控訴審裁判所は、1審裁判所が長期間の審理の末に退けた被告人の主張だけを漫然と信用した」とし、「当時、故キム・ムンギとゴルフをしたという疑惑や柏峴洞(ペクヒョンドン)用途地域変更の経緯が国民的関心事であった点を考慮せず、被告人の発言を一般有権者が受け取る内容とはまったく異なる形で解釈した」と指摘した。
先立って、1審の裁判部が多数の証言やビデオ通話・写真・公文書などを基に、2年以上の審理を経て認定した主要な容疑を、控訴審の裁判部が納得し難い理由で真逆の解釈を下して判決を覆したということだ。
検察は、李在明代表が2021年12月22日から29日の間に4回放送に出演し、△城南市長時代にキム・ムンギの存在を知らなかった、△キム・ムンギと共に行った海外公務出張中にキム・ムンギとゴルフをしなかった、△道知事になって公職選挙法違反容疑で起訴された後にキム・ムンギを知ったとし、虚偽事実を公表したと判断した。
李在明代表はこれに加えて、2021年10月20日の国会・国土交通委員会の京畿道国政監査に出席し、「柏峴洞の敷地に関して国土部から革新都市法上の義務条項に基づいて職務遺棄を問題視するという脅迫を受けた」と虚偽の発言をした容疑も受けている。
1審の裁判部は2024年11月、李在明代表に、当選無効に該当する懲役1年、執行猶予2年を言い渡した。
ソウル高裁・刑事6-2部(チェ・ウンジョン、イ・イェスル、チョン・ジェオ部長判事)は3月26日、李在明代表の選挙法上の虚偽事実公表容疑の宣告公判で、1審判決を覆し、無罪を言い渡した。
控訴審の裁判部は、李在明代表の発言に対する検察のアプローチが「類推・拡張解釈」に基づいたもので、最高裁の判例に反すると指摘した。
争点となった李在明代表の「ゴルフ写真捏造」に関する発言について、1審は一般有権者の認識基準で見たとき、「キム・ムンギとゴルフをしていない」という意味だと規定した一方で、控訴審は李在明代表の発言そのままに「写真が捏造された」という解釈の余地があると見た。
控訴審の裁判部は、「多義的に解釈できる部分について、公訴事実に合致する趣旨でのみ解釈するのは、政治的表現の自由や選挙運動の自由を反映しない結果となり、疑わしいときは被告人に有利に解釈するという原則にも反する」と明らかにした。
柏峴洞に関連する「国土部発言」についても、控訴審は「事実が特定されない相対的・主観的表現」であり、公職選挙法が処罰する「虚偽事実の公表」ではなく「意見表明」だと判断した。
李在明代表は控訴審の無罪判決直後、法廷を出ながら尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権と検察を正面から批判した。
李在明代表は「真実と正義に基づいて正しい判決を下してくれた裁判部にまず感謝申し上げる」とし、「一方で、この当然のことを引き出すのにこれほどのエネルギーが使われ、国家の力量が消耗されたことに対して本当に呆れる思いだ」と話した。
そのうえで「検察とこの政権が李在明を捕まえるために証拠と事件を捏造するのに使った力量を、山火事の予防や国民の生活改善に使っていたなら、どれほど良い世の中になっていただろうか」と声を上げた。
(記事提供=時事ジャーナル)
■日本を「地獄」と叩いた韓国歌手、日本公演へ…その“二枚舌”を意外な人物が痛烈批判
前へ
次へ