大谷翔平(29、ロサンゼルス・ドジャース)の元通訳・水原一平氏の違法賭博騒動が今もなお、世間に衝撃を与え続けている。
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3月20日に韓国で行われたメジャー開幕戦後、水原氏の賭博、そして“大谷の口座からの送金”したことが広まると、ドジャース球団は同氏を直ちに解雇。「野球一筋」など、模範的なイメージが強い大谷だっただけに波紋は大きかった。
そんな大谷は26日(日本時間)、本拠地のドジャー・スタジアムで記者会見を開き、「彼(水原氏)は僕の口座からお金を盗んで、なおかつ皆に嘘をついていた。僕自身はスポーツイベントに賭けたり、ブックメーカーに対して誰かに送金を依頼したりしたこともない」と多くのメディアの前で語り、自身は関与していないと伝えた。
水原氏はなぜ主張を翻したのか、送金の経緯など謎はまだまだ残っているだけに、会見から3日が過ぎても終息の兆しは見えていない。
今回の一件で、まさに「天国から地獄」へと転落してしまった水原氏なのだが、韓国にもギャンブルで身を滅ぼしてしまったスポーツ関係者が存在する。
彼の名は林昌勇(イム・チャンヨン)。NPBでも活躍した投手だ。
1976年6月生まれの林は、1995年に韓国のヘテ・タイガース(現KIAタイガース)でプロデビューを果たすと、サムスン・ライオンズ(99~07)を経て、2008年に東京ヤクルトスワローズに加入。日本では2012年までの通算5シーズンで238試合に登板し、11勝13敗、128セーブ、21ホールド、231奪三振、防御率2.09の成績を残している。
国際大会での成績も申し分なく、2000年のシドニー五輪では銅メダルで兵役免除の恩恵も受けた。そのほか、延長10回までもつれた2009年WBC決勝の日韓戦で、“イチローに打たれた男”として記憶している人も少なくないだろう。
そんな右腕の転落は2014年11月が始まりだった。サムスンに在籍していた当時、マカオのカジノのジャンケットルームで約4000万ウォン(約400万円)のバカラ賭博をした疑いが認められ、2016年1月に罰金1000万ウォン(約100万円)を宣告された。
これによりサムスン、そして代表からも追い出されることとなったのだが、古巣のKIAタイガースが救ったことで選手として延命することに成功。また、初犯で常習性は認めづらいとの結論が下され、単純賭博疑惑の宣告のみで終わっていた。
だが、彼はすでに地獄に片足を突っ込んでいたのだ。
KIAタイガースで2019年に引退して以降、林は野球解説者やオンライン動画サービスの配信者として生計を立てていた。そんななか、寝耳に水のようなニュースが韓国全土に流れた。
2022年3月13日、林は前日夜から15時間にかけて韓国国内の“闇カジノ”で懲りずにギャンブルに興じていたことが発覚。1億5000万ウォン(約1500万円)を賭け、230回にわたりバカラ賭博をしていたことが発覚。
これにより、懲役6カ月、執行猶予2年、罰金300万ウォン(日本円=約30万円)、40時間の社会奉仕という判決が下ることに。当時、裁判を担当した判事は、判決理由をこのように述べた。
「同種の犯罪で処罰を受けた前歴があるにもかかわらず、再び賭博をしたという行為に対し、厳しく処罰する必要がある。ただし、自身の誤りを反省し、再び賭博をしないことを誓ったことや、同種の犯罪で実刑を受けたことがない点を考慮した」
なお、林のトラブルはギャンブルだけではない。2020年7月には風俗店の従業員を務める30代の知人女性から、2500万ウォン(約250万円)を借りて1000万ウォン(約100万円)しか返済しなかったとして、同女性に告訴されている。2021年4月に詐欺容疑で送検され、同年6月に略式起訴で罰金100万ウォン(約10万円)が言い渡された。
また2020年12月には、韓国国税庁が公開した「高額・常習滞納者リスト」に名を連ね、総合所得税など計2憶6500億ウォン(約2650万円)を滞納していたことが発覚。翌2021年12月の同リストでも、依然として林の名前が記載されていた。
このように、韓国野球史に残るほどのレジェンドだが、自らの愚行で晩節を汚してしまった林。さまざまな問題を起こしたものの、一貫していたのは金銭的困難だった。その発端には、たった一度のギャンブルが存在した。
水原氏にどのような“処分”が下されるのか現時点では不明だが、これ以上、自身、そして大谷翔平の名を汚す事だけはないことを祈るばかりだ。
(文=サーチコリアニュース編集部K)
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