韓国国内の糖尿病患者数がここ10年で急増していることがわかった。
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健康保険審査評価院の資料によると、韓国国内の糖尿病患者数は2014年が207万8650人だったのに対し、2024年は360万2443人と73.3%増加した。特に20~30代の患者は同期間で8万7273人から15万6942人と79.8%増え、若年層での上昇傾向がさらに急激に現れた。
KH韓国健康管理協会・健康検診センター(大邱東区)で診療科長を務めるイ・グナ氏は、「糖尿病は危険信号を早期に発見し体系的に管理すれば十分に調節できるが、放置すれば一生合併症の危険を抱えて生きなければならない疾患だ」とし、「若い患者は症状が明確でなく、自分で異常を感じられず、定期健康検診の参加率も低いため、診断時期が遅れる場合が少なくない」と述べた。
糖尿病上昇の背景には不規則な食習慣、運動不足、過度のストレスと飲酒などによる肥満の増加が重要な要因として指摘される。全人口と同じく20~30代でも肥満の上昇が目立つだけに、若年層の糖尿病有病率の上昇と無関係ではない。
「2023年国民健康統計」によれば、19~29歳の肥満率は2014年の23.9%から2023年は33.6%へ上昇した。30~39歳も同期間で31.8%から39.8%まで上昇し、他の年齢帯よりさらに急な傾きを示した。
若年層の糖尿病で特に懸念される部分は、自ら疾患を認知できなかったり、深刻性を低く評価して体系的な管理が十分に行われていない点である。このような傾向は、他の年齢帯よりも低い健康検診受診率でも確認される。
韓国健康管理協会が発表した2024年統計によれば、全来院者557万2548人のうち20~30代は約18.7%にとどまったという。
糖尿病は初期に明確な症状がほとんどなく、治療の時期を逃しやすい疾患である。喉の渇き、疲労感、頻尿といった比較的ありふれた症状で始まるため、自ら疾患を疑えないまま放置される事例が多い。その結果、かなり進行した後に診断される場合も少なくない。
このように発見が遅れると、膵臓のインスリン分泌機能がすでに相当部分低下している場合が多く、治療が複雑になり、さまざまな合併症の危険にもより大きくさらされる。
高血糖状態が持続すると全身の血管が損傷し、合併症発生率が高くなるが、代表的には網膜症・腎臓病・神経障害などの微小血管合併症がある。また心筋梗塞、脳卒中などの大血管疾患の危険も一般人より大きいことが知られている。
若い時期から肥満、不規則な生活習慣など主要な危険因子を適切に管理しなければ、糖尿病により早い年齢でさらされる可能性が高くなる。発病時点が早ければ早いほど血糖を管理しなければならない期間が長くなり、すでに始まった血管損傷によって合併症の危険も累積され得る。よって、若い時からの定期的な健康検診と血糖測定を通じて危険因子を早期に発見し、矯正することが何より重要である。
糖尿病を予防するためには、何よりも能動的な自己管理が重要だ。最も基本となる実践は、定期的な健康検診を通じて血液検査を受け、普段から血糖の変化を継続的に確認することである。
最近は持続血糖測定器(CGM)の使用が拡大し、特定の食べ物や活動が血糖にどのような影響を与えるかをリアルタイムで確認できるようになった。規則的な血糖測定は、個人の生活習慣が血糖調節に与える影響を客観的に把握するのに役立ち、これを基に食事構成や運動量を調節するなど、能動的管理が可能になった。
イ・グナ氏は「糖尿病の家族歴があったり、肥満などで高危険群に該当する場合、定期的な検診を通じて危険因子を早期に確認し、生活習慣をすぐに改善する必要がある」とし、「定期的な血糖測定は糖尿病を早期に発見し合併症の危険を減らすうえで重要な役割をするだけに、これを能動的な予防戦略として認識し実践することが何より重要だ」と強調した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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