韓国とカンボジアの警察がカンボジアの犯罪拠点を急襲し、監禁および拷問の被害を受けていた20代男性1人を救出し、詐欺に加担した容疑者50人余りを検挙した。
12月10日、警察庁によると、韓国とカンボジアの警察官が合同で勤務するいわゆる「コリア専担班」などが前日、カンボジア・シアヌークビルの犯罪拠点を急襲し、詐欺加担の疑いがある韓国人51人を検挙した。監禁および拷問の被害者である20代男性A氏も救出した。
今回の検挙作戦には、コリア専担班所属の韓国警察官5人、カンボジア警察9人、カンボジア警察特攻隊約100人、韓国国家情報院の要員などの人員が大挙投入された。彼らは犯罪拠点の建物1階など一帯を封鎖した後、急襲に乗り出し、組織を事実上一網打尽にすることに成功したと伝えられている。
また、コリア専担班側は、今年4月に「20代韓国人男性が監禁および拷問を受けている」という趣旨の112通報と情報をもとに位置把握に乗り出した。その後、位置情報と人的情報だけで出動要請ができる「緊急救助要請書」を現地警察に送った。
緊急救助要請書とは、韓国とカンボジアの両国警察が最近合意した“迅速出動手続き”で、緊急状況であることが確認されれば、位置情報・人的情報だけでカンボジア警察の出動が可能になる。通報者の顔写真や映像提出などが必要だった従来の手続きを改善したものである。
韓国警察は、通報者の陳述と情報収集を通じて監禁が推定される場所を特定し、当該の施設で韓国人約50人が詐欺行為を行っている状況も把握した。合同作戦計画の樹立に続き、事前配置を終えた両国警察は、犯罪拠点に突入直後、監禁被害者を救出し、詐欺に関与した疑いのある51人を検挙した。
現在、両国警察は、詐欺犯罪に関与した疑いのある韓国人51人を対象に、具体的な組織構造と総責任者の正体、具体的な詐欺の犯行方式などを捜査している。
イ・ジェヨン警察庁国際協力官は、「今回の作戦は、カンボジア側の積極的な協力と支援なくしては不可能なことだった」とし、「これからもカンボジアをはじめとした海外法執行機関との緊密な協力を通じて、オンラインスキャム・ボイスフィッシングのような国際組織犯罪の摘発に先頭に立つ」と強調した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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