ただ、その人気の裏では、同番組の中高生への影響が問題視されている。
特に議論を巻き起こしているのは、アイドルになりたいという学生が急増していることだ。
韓国メディア『スポーツ・ワールド』は、全国的にアイドル志望者が明らかに増えているという現職教師たちの証言を伝えている。
もっとも、アイドル志望者が増えること自体は責められることではないだろう。
問題は、アイドルになるために美容整形をする学生が増えているという点にある。
江南(カンナム)のある整形外科医によれば、この夏休み期間、中高生からの問い合わせが激増しており、実際に整形手術を行う学生も増加しているそうだ。
それにしても、なぜ、『アイドル学校』の影響で整形する中高生が増えているのだろうか。前出の『スポーツ・ワールド』は、次のように分析している。
「(『アイドル学校』は)実質的に、ダンスと歌の実力よりも、オーディションを通じて外見的な競争を促しているという批判を避けられなくなっている」
また、『韓国スポーツ経済』は、「“アイドル学校”は本当に良い学校だろうか」と見出しを打った記事で、「(番組に)映し出されるのは、情熱や才能、努力ではなく、“外見”だった」としながら、ほとんどの出演者たちが自身のルックスをアピールし、またお互いに外見ばかりを評価しあっていると綴っている。
実際、同番組が発表した“校歌”のタイトルも『綺麗だから』であるし、放送開始前に張り出された出演者募集ポスターには「かわいい新入生を募集します」と書かれていた。
こうした意見について、同番組のプロデューサーであるチャン・ギョンナム氏は「かわいいという言葉にも様々な意味がある。顔だけでなく、情熱や心、可能性なども含めてかわいいかどうかを見るという意味だ」と弁明しているが、説得力に乏しいというのが正直なところだろう。
こうした状況を受け、ネット上には様々な意見が上がっている。以下にいくつかを紹介しよう。
「アイドルという華やかな幻想に取り憑かれて現実の恐ろしさを知らない子どもたちがかわいそう」
「高校生が整形するのか…」
「そんなことはやめて勉強しろ」
「すべては放送局の金もうけのため」
「アイドルに限らず、どこかに人が偏るのは社会が病んでいる証拠だ」
「こんな番組を見て投票する視聴者も問題だ。お金しか持っていない大人たちが子どもたちの世界を壊している」
「本人たちがやってみて失敗して悟ればいいだけのこと。口出しする必要はない」
いずれにしても、同番組が中高生たちの支持を獲得しているのは事実だ。
現在も放送は続いているが、今後は韓国社会にどのような影響を及ぼしていくだろうか。引き続き注目したい。