「勤務中に心理的トラウマを感じた」との回答が8割弱…韓国記者たちの憂鬱

2022年04月07日 社会 #アンケート
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様々なニュースを提供する韓国の記者たちは、何かとストレスが多いようだ。

去る北京五輪で“疑惑の判定”に憤った韓国人記者がタイトルも本文も同じ文言で埋めるという、とんでもない記事をアップする“事件”があったりしたが、そういった逸脱行為も何かしらのストレスやトラウマが原因だったのかもしれない。

【画像】中国の「疑惑の判定」に怒りすぎた?韓国メディアの“珍記事”

実際に韓国記者たちの苦悩というのは予想より大きい。軽はずみな記事が、意図していないバッシングにつながったりすることが日常的に起こりうるからだ。

そうした状況のなかで韓国記者協会と韓国女性記者協会は、現職記者たちのトラウマ実態把握のためのアンケート調査を実施。昨年11月8~18日にモバイルで行ったアンケート調査に韓国記者協会会員544人が参加した。これは、トラウマと関連して韓国記者協会所属のマスコミ全体を対象とした最初の公式調査という点で意味が大きい。

この調査によると、回答した現職記者のうち、78.7%(428人)が「記者として勤務中に心理的トラウマを感じた」と答えている。

(画像=NAVER)韓国最大手ポータルサイトNAVERのニュースページ

細分化してみると、「たまにある」が51.5%(280人)、「よくある」が19.3%(105人)、「非常に頻繁にある」が7.9%(43人)であり、「ほとんどない」という回答は21.3%(116人)にとどまった。なお心理的にトラウマを感じたことがあると答えた428人に「トラウマを経験させる事件がどれくらい頻繁にあるのか」と尋ねたところ、59.3%(254人)が「1年に2~3回」程度と答え、「月2~3回」という回答は26.9%(115人)、「週2~3回」も9.6%(41人)となった。

またトラウマの経験を訴えた人に、どのような状況でトラウマを感じたのか、複数回答を受けた。「取材過程」という回答が61.0%(261人)で最も多かった。次に58.4%(250人)が「報道後の読者の反応」を挙げた。

こうした結果に対して韓国ネット民の反応も様々で、「いい人材を集めて、彼らがすばらしい記事を書くためにも、環境を整えてフォローしなければならない」「堂々とした記事を書いていたら、批判されることもないのに」「韓国の記者水準は低いといわざるをえない」など、記者自体を心配する声が上がったかと思えば、レベルの低さを揶揄する声まで様々だった。

より良い記事が提供されるためにも、記者のみではなく、読者や出版社が協力することも必要なのかもしれない。

(文=サーチコリアニュース編集部)

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