新型コロナウイルス感染症の影響で海外旅行の制限を余儀なくされてきた昨今。それでもあらゆる規制が緩和され、人々の往来も再開されるようになってきたが、それに伴うトラブルも再び起き始めている。
例えば最近では、とある韓国人観光客が福岡の寿司屋を訪問した際、寿司に適量以上のワサビが盛られていたとしてネット上に「ワサビテロ」と投稿し、日韓で大きな話題となった。
この「ワサビテロ」をめぐっては、2016年10月にも同様のトラブルがあった。当時は大阪のとある寿司屋で、店員が韓国人観光客の食べる寿司に大量のワサビを盛ったとして物議に。約7年越しに似た事例が起きたわけだが、こうした観光客のトラブルは韓国でも度々発生している。
特に多いのがタクシー料金のボッタクリだ。今月8日には、YouTubeコンビ「水溜りボンド」のトミーが年始の韓国旅行でタクシーに乗った際、10分程度の乗車で5万ウォン(日本円=約5000円)を請求された件を動画で公開し、注目を集めていたが、これは決して珍しい話ではない。
実際、昨年5月にはソウルで中国人留学生を乗せたタクシーが、通常1時間30分程度で到着する仁川(インチョン)国際空港まで倍の3時間以上かけて運転し、ボッタクリ料金を請求しようとしたところを警察に摘発されたことがあった。
また、ソウル市が2021年11月から2022年3月までの5カ月間で調査した結果、実に139件ものタクシーの違法営業が摘発。「タクシー料金に20%の割増を適用した不当料金徴収」が117件で最も多く、「メーター未使用」なども確認されたという。
さらに遡ると、2016年には釜山(プサン)で日本人女性がタクシーに乗った際、メーターによる乗車料金1万9300ウォン(約1930円)に“その他料金”として2万ウォン(約1000円)が追加され、計3万9300円(約3930円)を請求された。同年にはカナダ人観光客が相場の倍近い料金を払わせられるトラブルもあった。
ただ、タクシーにまつわるトラブルは別のケースもある。昨年12月には、ソウル江南区(カンナムグ)でタクシー運転手が「日本語が話せない」という理由により、日本人男性の観光客から暴行された事件があった。
日本人男性は泥酔した状態で殴る蹴るなどし、運転手に全治3週間の怪我を負わせた。これには運転手も、「外国人にはより新設にしなければならないという姿勢で働いているのに、観光に来た人がどうしてそんなことができるのか」と嘆いていた。
とはいえ、韓国の宿泊予約プラットフォーム「ヤノルジャ」の「2022韓国人の旅行形態」によると、海外の人気旅行先は日本が20.7%で1位。日本の大手旅行会社「HIS」による年末年始の海外旅行予約数ランキングでは韓国の首都ソウルが1位だった。
お互いに最も近い隣国を好んで訪れる旅行先に挙げているだけに、今一度観光客に対する“おもてなし”の精神を再確認してもらいたいものだ。
(文=サーチコリアニュース編集部H)
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