医者やスポーツ選手など、将来になりたい職業にあがる職種は数あれど、建設現場で働きたいという若者は悲しいことに少ない。
また、少子化問題も建設業を志望する若者の減少に大きく影響している。
実際、国土交通省の「最近の建設業をめぐる状況について」によると、建設業の就業者は1997年の685万人をピークに下降を続け、2021年は482万人にまで落ち込んだ。また、そのうちの35.5%が55歳以上であり、29歳以下はわずか12.0%にとどまっている。今後、ベテランが引退していくことにより、人材不足は一層深刻化していくだろう。
こうした若者の建設産業流入減少に関しては、お隣・韓国も同様の悩みを抱えている。
韓国建設人政策研究院によると、昨年6月時点の建設技術者の平均年齢は50.8歳だったという。
また、年齢別に見ると、50代(30万8237人、31.9%)、40代(28万3126人、29.3%)、60代(16万9905人、17.6%)、30代(11万7739人、12.2%)の順となった。
驚くべき点は、70代以上(4万9478人、5.1%)が、20代(3万6857人、3.8%)よりも多いことだ。
なお、20年前の2004年の平均年齢は37.5歳で、当時は20~30代の若い人材が全体の63.8%を占め、50代以上の割合はわずか11.2%に過ぎなかった。
現在、韓国では人材不足対策として、外国人労働者の積極誘致などを試みている。だが、これらはあくまで短期的な措置であり、実際に若者の誘致には実効性が薄いと言われている。
加えて、建設産業自体も「原材料価格および人件費上昇」で懐事情が苦しい。こうした金銭的事情による「雇用不安」も、若者の建設業流入への歯止めをかける要因となっている。
若者の少ない業界に未来はない。生活に密接する建設業だけに、緩やかな衰退は望ましくない。そのためにも、業界の待遇改善が望まれる。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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