不法滞在が疑われるという理由で外国人を無断で職務質問し、拘束した50代の韓国男性が裁判所で実刑判決を受けた。
1月21日、法曹界によると、大邱(テグ)地方裁判所・刑事11部単独(チョン・ミョンファン判事)は、暴力行為等処罰に関する法律違反などの容疑で起訴された「自国民保護連帯」代表のA氏(50)に対し、懲役1年2カ月の判決を下した。
ただし、A氏には逃亡の恐れがないとして、法廷での拘束は見送られた。
また裁判所は、同じく起訴された自国民保護連帯の会員1人に懲役1年、他の4人には懲役6~10カ月に執行猶予2年、さらに2人にはそれぞれ罰金500万ウォン(約54万円)と800万ウォン(約86万円)を言い渡した。
自国民保護連帯は、2018年に設立された反移民を掲げる市民団体だ。自国民の保護と安全のために設立された団体と自称しているが、その活動は不法滞在者への私的制裁に重きを置いているとされる。
彼らは2024年2~3月頃、大邱・達西(タルソ)区など外国人が多く住む地域で、通勤中の外国人を強制的に地面に押し倒すなどの暴力を行い、無断で検問や拘束を行った疑いが持たれている。被害者を不法滞在者と疑ったことが原因だった。
このような自警活動の様子は現在、YouTubeなどに動画として投稿されている。
これに対し、裁判部は「警察ではない被告人たちに職務質問を行う権限はない」とし、「ナンバープレートを付けずにバイクに乗る行為は、過怠料の対象となるだけで犯罪行為ではない。仮にその後、不法滞在者であることが判明したとしても、被告人たちの行為が正当化されることはない」と指摘した。
さらに「被告人たちは昨年2月、出動した警察官から『外国人を職務質問し拘束することは違法である可能性がある』と告知されたにもかかわらず、同様の方法で拘束と暴行を行った」とし、「被告人たちが今回の犯罪行為を行った背景には、東南アジア国籍の外国人に対する嫌悪感も影響した可能性がある」と伝えた。
一方、A氏は判決後、取材陣に対して「控訴するつもりだ」と述べ、「これから多くの外国人が違法行為をしたとしても、警察に通報するなということなのか」と声を荒げた。
オンライン上では「あなたたちは警察か?ユーチューバーごときが本当に情けない」「何の権限でそんな馬鹿げたことをしたのか」「通報することと逮捕することは全然違うこと」と、批判的な意見が多く寄せられた。
一方で、「罪は罪だが、法律や警察ができないことをやってくれたと思う」「実際、不法滞在者が多すぎることが問題」と擁護する声も見られた。
今回の判決は、A氏らの私的制裁行為が法律を逸脱した犯罪であると認定されたものだ。一方で、不法滞在問題や移民政策をめぐる社会的課題が浮き彫りとなり、これらの問題に対する適切な対応策が求められている。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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