尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾審判の宣告日をめぐる憲法裁判所の沈黙が長引いている。
韓国全体が憲法裁判所の「決断」を固唾をのんで見守るなか、本日3月19日が宣告時期の分水嶺になるとみられている。もし宣告日が20日以降に遅れる場合、今週中の判決は見送られる可能性が高い。
憲法裁判所の尹大統領に対する弾劾審判が今週中に下されるかどうかは、3月19日に決まる見通しだ。
宣告当日の憲法裁判所周辺の管理や安全確保のため、学校の休校や交通規制などが避けられない。警察も約2万人規模の機動隊を投入し、憲法裁判所周辺を事実上、「真空」状態にすることで衝突を最小化するための実戦訓練を開始した。
警察やソウル市、鍾路区などと協議が必要な事項が多いため、少なくとも2~3日前には宣告日が公示される必要がある。3月21日に宣告を行う場合、19日中に弾劾審判の当事者双方にまず通知し、その後メディアに発表されると予想されている。
過去の2人の元大統領に対する弾劾審判では、弁論終結から2週間以内に判決が下され、いずれも金曜日に行われたことから、尹大統領の判決も「3月7日または14日」が有力視されていたが、予想は外れた。
尹大統領の弾劾審判は、歴代最長の審議期間となっている。現在、最終弁論終結から23日目、審理開始から95日目に入った。3月最終週に判決が下される場合、審議は100日を超えることになる。
裁判官らは引き続き今回の弾劾審判の争点を検討していると伝えられている。一部では、裁判官の間で争点をめぐる意見の対立があり、激論が交わされているという憶測もあるが、厳格な保安のもとで評議が進められているため、内部の状況を正確に把握するのは不可能だ。
憲法裁判所の熟考が続くなか、今週中の宣告も見送られる可能性があるとの見方もある。
憲法裁判所は3月18日、パク・ソンジェ法務部長官の弾劾審判の初弁論を行った後、評議を開いて議論を続けたと伝えられている。もしハン・ドクス国務総理やパク長官の宣告を先に行う場合、尹大統領の宣告は来週に持ち越される公算が大きい。
約2時間にわたって行われたパク長官の弾劾審判の弁論は、証人尋問なしで1回で終了した。2月25日に弁論手続きを終えた尹大統領に続き、ハン国務総理(2月19日終結)、パク長官まで、「12・3非常戒厳宣言」の国務会議に直接関与した関係者の弾劾審判は、いずれも宣告を待つ段階にある。
法曹界では、尹大統領とハン国務総理・パク長官の宣告が同じ日に行われる可能性と、順次行われる可能性の両方が取り沙汰されている。尹大統領とハン国務総理側は、いずれも「大統領の事件より国務総理の事件を先に宣告してほしい」と要請している。
憲法裁判所が3月20日または21日に宣告日を発表すれば、来週前半に審判が行われる可能性があるが、さらに遅れた場合、3月26~28日の間に判決が下される可能性が高い。
3月26日には、最大野党「共に民主党」李在明(イ・ジェミョン)代表の公職選挙法違反事件の控訴審判決が予定されており、現職大統領と最大野党代表の運命が連鎖的、または同時に決まる可能性がある。
最終期限である4月中旬まで、尹大統領の罷免または復帰の可否が明らかにならない可能性もある。
4月18日には、ムン・ヒョンベ憲法裁判所長代行とイ・ミソン裁判官の退任が迫っており、その前に結論が出されるという見方もある。朴槿恵(パク・クネ)元大統領の弾劾審判も8人体制で審理が進められ、イ・ジョンミ前憲法裁判所長代行の退任3日前に判決が下された。
李在明代表は、憲法裁判所の宣告が納得のいく理由なく遅れているとして、「尹大統領に対する迅速な罷免宣告を求める」と訴えた。
「共に民主党」は、憲法裁判所が「熟慮の時間」を超えて「遅延の時間」に入っているとし、迅速な決定を要求することに党の力を集中させている。同時に野党は、チェ・サンモク大統領権限代行に対し、マ・ウンヒョク憲法裁判官候補者を任命し、9人体制の完成を迫ることで、事実上の弾劾戦略を再び繰り出した。
一方、「国民の力」は社会的混乱が長期化していることを受け、一方では迅速な宣告の必要性を強調しながらも、弾劾棄却または却下を主張する動きも見られる。さらに、「尹大統領の罷免」を求める「共に民主党」に対する攻勢も強めている。
「国民の力」のソ・ジヨン院内報道官は、「共に民主党」の動きを直接批判し、「憲法裁判所の遅延する大統領弾劾審判の宣告に、共に民主党が非常に焦っているようだ」と指摘した。
続けて、「今や公然と憲法裁判所には『弾劾認容』を、政府には『候補者任命』を脅迫している。まるで憲法裁判所や政府の上に、国家や国民の上に君臨しようとしている」と述べ、「これは三権分立を正面から損なう行為だ」と批判した。
(記事提供=時事ジャーナル)
■尹大統領が罷免しても復帰しても韓国は内乱状態へ…“最終判決”を受け入れるべき理由
前へ
次へ