面識のない男性を殺害し、現金12万ウォン(日本円=約1万2000円)を盗んで逃走したキム・ミョンヒョンの控訴審で、検察は一審と同じ無期懲役を求刑した。
5月7日、大田(テジョン)高裁・第1刑事部(パク・ジンファン部長判事)は、強盗殺人の容疑で起訴されたキム・ミョンヒョンの控訴審第1回公判を審理した。
この日、検察は「キム・ミョンヒョンが犯行当時、ギャンブル中毒に陥った状態であり、犯行後に車両に火をつけた点に照らして、計画的な犯行と判断しなければならない」として、1審の量刑が軽すぎて不当だという趣旨で控訴の理由を明らかにした。
そのうえで、キム・ミョンヒョンに1審と同じ無期懲役を求刑した。
検察は「キム・ミョンヒョンは、一度失えば永遠に失われる尊厳ある価値である生命を侵害した。生命は法が守る絶対的な価値で、一度侵害されれば回復できず、殺人はいかなる理由でも正当化できない」とし、「偶発的な犯行を主張しているが、あらかじめ凶器を準備しており、犯行の手口が残忍で、車両に火をつけた点まで考慮すれば、非常に綿密な計画のもとに行われたと見るべきだ」と強調した。
一方、キム・ミョンヒョン側は偶発的な犯行だったと主張し、高裁に善処を求めた。キム・ミョンヒョンの弁護人は「酒に酔って偶発的に犯した犯行であり、車内での揉み合いの中で起きた」とし、「犯行後、慌てて正気を失った状態で現場を離れようとしたのであり、意図的な犯行ではない」と主張した。
続けて、最終弁論では「被告人は取り返しのつかない過ちを反省している。被害者に対して凶器を振るったのは事実だが、被害者との揉み合いの過程で傷ができた点も考慮してほしい」と述べ、「残忍に殺害する意図はなかった。現在、未成年の子ども3人を扶養しなければならない点などを基に善処してほしい」と訴えた。
キム・ミョンヒョンは最終陳述で「被害者と遺族に心から謝罪し、二度とこのようなことがないようにする」とし、「下される罰の代価を誠実に受け入れる」と述べた。
高裁は5月30日午前10時20分、キム・ミョンヒョンに対する控訴審の判決を言い渡す予定だ。
先立って、キム・ミョンヒョンは昨年11月8日午後9時40分ごろ、忠清南道(チュンチョンナムド)瑞山市東門洞(トンムンドン)のある飲食店の駐車場付近に停められていた車両に乗り込み、代行運転を待っていた30代男性A氏を殺害した容疑を受けている。キム・ミョンヒョンはA氏を近くの水路に遺棄した容疑もある。
キム・ミョンヒョンは犯行後、A氏の車両に乗って逃走。A氏の財布にあった現金12万ウォンを盗んで食事を購入し、6万ウォン(約6000円)相当の宝くじを購入したことがわかった。
1審で、地裁はキム・ミョンヒョンに懲役30年を言い渡した。地裁は「犯行の手口が非常に残忍であり、遺族から許しを得られなかった」と判示した。
その後、1審判決に不服を申し立てたキム・ミョンヒョンと検察が、それぞれ量刑の不当を理由に控訴した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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