スイスの研究機関「世界経済フォーラム(WEF)」が発表した「国際競争力レポート2015-2016」によると、最も国際競争力が高い国はスイス(5.76点)。7年連続の1位だ。
日本は前年と同じく6位(5.47点)。トップ10は、2位シンガポール(5.68点)、3位アメリカ(5.61)点、4位ドイツ(5.53点)、5位オランダ(5.50点)、7位香港(5.46点)、8位フィンランド(5.45点)、9位スウェーデン(5.43点)、10位イギリス(5.43点)で、順位の入れ替わりはあるものの、顔ぶれは前回と変わりなかった。
140カ国を対象にしたWEFの国際競争力については、大国はインフラ整備などに費用がかかり、全国民をフォローすることが難しいため、ほどよく小さい国が有利との見方もある。
実際に、スイスの人口は800万人ほどで、シンガポールやフィンランドも約500万人だ。だからこそ人口が多いドイツやアメリカ、そして日本が上位であることには価値があるといえるだろう。
国際競争力は、国の生産力レベルを決定する制度や教育、インフラなどを組み合わせて評価される。項目は大きく「政治、経済、インフラ、健康、教育など基礎的条件」「ビジネスを効率的に行うための環境」「ビジネスの革新性や洗練度」の3つだ。
日本で特に評価されたのは、「ビジネスの革新性や洗練度」。5.66点の高得点で、これはスイスの5.78点に次いで世界2位の高評価となる。
一方、韓国の国際競争力は凋落が凄まじい。
韓国は2007年に11位を記録したものの、2012年19位、2013年25位と急落。そして2015年も26位(4.99点)という残念な結果に終わった。年々低下する韓国の国際競争力は、もはや上がることはないのだろうか。
前出の3項目で見ると、韓国は「政治、経済、インフラ、健康、教育など基礎的条件」では5.66点(日本5.52点)と健闘しているが、「ビジネスを効率的に行うための環境」と「ビジネスの革新性や洗練度」は、ともに4.82点(日本5.33点と5.66点)と低い数字だ。
さらに細部項目に踏み込むと、「労使協力」132位、「解雇費用」117位、「企業理事会の役割」120位、「小口株主の保護」95位となっており、これらが国際競争力を低下させている要因であることがわかるだろう。
ただでさえ、貿易依存度の高い韓国経済において、国際競争力の低下は死活問題になるのではないだろうか。
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