日本の輸入電気自動車市場に参入した韓国ヒョンデと中国BYD、明暗くっきりとなった理由

2024年12月17日 経済
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韓国の最大手自動車メーカー、現代自動車(ヒョンデ)が日本で辛酸をなめている。

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電気自動車が売れないことで知られる日本だが、中国最大の電気自動車企業BYDにも劣る水準なのだ。

12月17日の業界の発表によると、現代自動車は2022年に13年ぶりに再進出した日本市場で、今年(1月~11月)561台を販売した。

2023年(1月~12月)の465台と比較すると、12月の販売集計がまだ残っているにもかかわらず、100台以上多く販売したことになるが、月間販売が三桁になったことは昨年と今年を通じて一度もない。

日本の輸入電気自動車市場で、現代自動車の最大の競争相手とされる中国のBYDは状況が異なる。BYDは日本で月間三桁の販売を堅調に続け、今年11月までに2134台を販売した。BYDの販売台数は現代自動車の約4倍に達しており、前年同期比72.5%増と成長が著しい。

上から「ATTO 3」「DOLPHIN」「SEAL」
(写真=BYD公式HP)上から「ATTO 3」「DOLPHIN」「SEAL」

現代自動車は2022年の再進出後、日本では電気自動車のみを販売すると決めた。現地メーカーの電気自動車への転換が遅れているため、まだチャンスが残っているという判断だ。その後、BYDも2022年9月に日本市場に参入した。両ブランドは大衆向け電気自動車を取り扱うブランドという点で、モデル間の価格帯も似通っている。

そもそも日本は、2035年までに乗用車新車販売における電動車の比率を100%とする目標を掲げているが、EVおよびPHEVの比率は2.58%(2024年7月時点、ENECHANGE)に過ぎない。充電インフラの整備が遅れていることや、車両価格が依然として高額である点が、EV普及の足かせとなっているとされており、電気自動車に消極的な国といえるだろう。

ただ、その難しさを前提にしても、現代自動車とBYDの販売台数には大きな差が生じてしまった。一体なぜだろうか。

「IONIQ 5 N」(上)と「KONA N Line」
(画像=現代自動車HP)「IONIQ 5 N」(上)と「KONA N Line」

その原因は、現代自動車はオンライン、BYDはオフライン代理店に注力するという「販売戦略」の差と見られている。

今年3月に行われた「BYD Auto Japan 2024戦略発表会」で代表取締役社長の東福寺厚樹氏は、現在のディーラーネットワークは国内22店舗で、さらに開業準備室も含めると全国51拠点になると明らかにした。

一方、現代自動車は、韓国はもちろん、グローバル主要市場でも試みたことのないオンライン販売を行っている。代理店の維持費や人件費など固定費から自由になれるという利点があるものの、結果として、その戦略が仇となっている可能性が高い。

とはいえ、現代自動車もBYDも日本進出からまだ2年しか経っていないのも事実だろう。日本市場で販売戦略の異なる両社がどんな存在感を示せるか、注目してみたい。

(文=サーチコリアニュース編集部O)

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