与党「国民の力」の議員が初めて尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾審判を傍聴した。
「国民の力」のカン・ミョング議員とチョ・ジヨン議員は2月6日、憲法裁判所で開かれた尹大統領の弾劾審判の第6回公判を傍聴した。
これに先立ち、「国民の力」のクォン・ヨンセ非常対策委員長、クォン・ソンドン院内代表、ナ・ギョンウォン議員が2月3日に拘置所で尹大統領と接見した。7日にはユン・サンヒョン議員とキム・ミンジョン議員も接見に訪れる予定だ。
こうした「国民の力」議員らの動きに対し、党内外では中道層の支持が離れる可能性があるとの懸念が強まっている。
今回、尹大統領の弾劾審判を傍聴したカン議員とチョ議員は、弾劾反対の世論が高い大邱(テグ)・慶尚北道(キョンサンブクド)地域の選出議員であり、強固な支持層に訴えかけ、政治的基盤を固めようとしているとの分析が出ている。
カン議員は大統領府で国政企画秘書官を務め、チョ議員は国政企画秘書官室の行政官として尹大統領の大統領選キャンプで日程管理やメッセージ発信を担当していた人物たちだ。彼らは第22代総選挙で当選し、カン議員は慶尚北道・亀尾乙(クミウル)、チョ議員は慶尚北道・慶山(キョンサン)から当選した。
また、明日(2月7日)には、ユン・サンヒョン議員とキム・ミンジョン議員が尹大統領を接見する予定だ。与党議員が公に拘置所を訪問するのは2月3日に続いて2度目となる。
ユン議員は「大統領としてお仕えし、同じ釜の飯を食べた方なのだから、訪問しないほうがおかしい」と発言し、戒厳令事態以降、一貫して尹大統領の擁護を続けている。
2月5日、韓国憲法裁判所のムン・ヒョンベ所長権限代行に対する弾劾案が国会電子請願を通じて国会法制司法委員会に回付されたことについては、「これは国民の厳粛な声だ」と強調した。キム議員は「国民の力」議員向けのグループチャットで「不正選挙」疑惑を持続的に提起していたことが知られ、過去に物議を醸したことがある。
親尹派を中心として与党関係者が尹大統領との接見を打診していると伝えられている。
先立って、「国民の力」の“ツートップ”であるクォン非常対策委員長とクォン院内代表、さらにナ議員が拘置所で尹大統領と面会したことに対し、「獄中政治」との批判が起こった。
これを受けてユン議員らの接見は延期されるか、非公開で行われる可能性があるとの観測もあったが、予定通り実施される見通しだ。
このような姿勢に党内でも「極右支持層を過度に意識し、強硬支持層の意向に左右されている」との批判もあるが、こうした意見を意に介さない態度が続いている。
早期大統領選が実施される場合、「尹錫悦も李在明(イ・ジェミョン)も支持しない」層の動向が鍵を握るとされている。しかし、「国民の力」の右傾化が足かせとなる可能性があるとの分析も浮上している。
「国民の力」のキム・ジョンイン元非常対策委員長は2月6日、CBSラジオのインタビューで、現在の「国民の力」の動きについて言及した。
彼は「党大会で63%の支持を受けて当選した党代表を排除し、非常対策委員会体制に移行した『国民の力』に対し、私は非常に懐疑的な見方をしている」として、「憲法裁判所が尹大統領の弾劾を認めた場合、『国民の力』内部で深刻な対立が発生せざるを得ない」とも指摘した。
「国民の力」が尹大統領との結束を強化することで、中道層の支持を得る上で障害となる可能性があるとの懸念も強まっている。
世論調査会社EMBRAINパブリック、Kstatリサーチ、コリアリサーチ、韓国リサーチが2月3から5日(2月1週目)に、全国の18歳以上の男女1005人を対象に実施した全国指標調査(NBS)によると、「国民の力」の政党支持率は39%、最大野党「共に民主党」は37%だった。
イデオロギー別の支持率を見ると、進歩(リベラル)層の72%が「共に民主党」を支持、保守層の75%が「国民の力」を支持という結果だった。しかし中道層では「国民の力」が30%、「共に民主党」が37%と、「共に民主党」が上回っている。
「国民の力」のキム・サンウク議員は2月4日、CBSラジオのインタビューで、早期大統領選の勝利には「国民の力」が尹大統領と決別する必要があると主張した。
彼は「最近の世論調査で『国民の力』の支持率は上昇したが、これは『良くない支持率』だ」とし、「社会の対立を煽り、陣営対立を強化することで支持率を上げるのは、社会と国家を損なう行為だ」と批判した。
そのうえで、「本当に必要なのは、社会を統合し、国民に信頼とビジョンを提示することで得られる支持だ」と強調し、「保守の価値を確立・実践し、ビジョンと実行力を示せる人物が党のリーダーであり、大統領選候補になるべきだ」と述べた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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