韓国・李在明大統領、20.2兆ウォンの補正予算に本格着手…13兆ウォンの“消費クーポン”、113万人分の債権帳消しへ

2025年06月26日 政治 #時事ジャーナル
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李在明(イ・ジェミョン)大統領が就任後初となる国会での施政演説を行い、「13兆ウォン(約1兆3000億円)規模の“民生回復消費クーポン”を編成し、消費余力を強化して内需市場の活性化を支援する」と強調した。

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施政演説とは、政府が編成した予算案を国会に提出する際に、大統領がその内容と政府の政策方針を国会議員に説明する場だ。

今回は本予算ではなく補正予算案であるにもかかわらず、迅速な執行が必要だと判断し、李在明大統領自ら施政演説に立ち、国会の協力を求めた形だ。

李在明大統領は6月26日、国会本会議場において、政府が策定した総額20兆2000億ウォン(約2兆200億円)規模の補正予算案の活用方針を説明した。

まず、消費余力の強化や建設景気の活性化など景気刺激に15兆2000億ウォン(約1兆5200億円)、小規模事業者の再起支援や雇用セーフティネットの強化など民生安定に5兆ウォン(約5000億円)が投入される。

なかでも最大の比重を占めるのが、補正予算の半分にあたる13兆ウォン規模で投入される「民生回復消費クーポン」だ。

李在明大統領
(写真=大統領室通信写真記者団)李在明大統領

13兆ウォンの消費クーポン

李在明大統領はまず、深刻な内需低迷への対応を強調した。

政府は、消費不振によって景気と民生が苦しい状況のなか、消費活性化を図るため、消費クーポンを全国民に支給し、景気刺激効果を最大化する方針だ。

この民生回復消費クーポンは、第1段階では一律支給、第2段階では所得水準に応じた差等支給により、国民一人当たり15万~50万ウォン(約1万5000円~5万円)規模で支援される。これに関連し李在明大統領は「消費クーポンは全国民に一律支給するが、脆弱階層や人口消滅地域には、より手厚いカスタマイズ型支援として設計した」と述べた。

地域経済の活性化を目的とした“地域愛商品券”の政策も強化された。政府は国費6000億ウォン(約600億円)を追加投入し、割引率を引き上げるとともに発行規模も拡大し、総額8兆ウォン(約8000億円)規模に設定された。

李在明大統領は「消費クーポンと地域愛商品券は、“地方をより支援する”という新政府の理念に基づき、地方により多くの国費を配分した」と強調した。

李在明大統領は、景気活性化のための投資促進予算として3兆9000億ウォン(約3900億円)を編成したことも明らかにした。「鉄道・道路・港湾など、執行可能なSOC(社会間接資本)に早期投資を行い、停滞する不動産PF(プロジェクトファイナンス)市場に対して総額5兆4000億ウォン(約5400億円)の流動性を供給するなど、建設景気を回復させるための予算を盛り込んだ。AI(人工知能)や新再生エネルギー関連の投資を拡大し、ベンチャー・中小企業へのマザーファンド出資など、1兆3000億ウォン(約1300億円)の資金支援を通じて大韓民国の成長エンジンを再生させたい」と説明した。

第2次補正予算の核心とされる民生安定予算には、5兆ウォン(約5000億円)が編成された。李在明大統領は「同じ経済危機でも、その苦しみの重さは一様ではない」とし、「コロナパンデミックの危機から、12月3日の違法非常戒厳に至るまで、極度の苦難を経験してきた小商工業者、自営業者、脆弱階層のために特別な対策が必要だ」と語った。

さらに「新政府は返済能力のない脆弱債務者113万人の長期延滞債権を焼却する」とし、「7年以上延滞された5000万ウォン(約500万円)以下の債務を整理し、実質的に破産状態にある方々に、経済活動への復帰の機会を与える」と表明した。

そして「誠実に返済している小商工業者には、分割返済期間を延長し、利息も追加で減免する。廃業した小商工業者の再起支援のため、廃業支援金も引き上げる」と明らかにした。求職給付と国民就業支援制度の拡大など、雇用セーフティネットの構築にも1兆6000億ウォン(約1600億円)が投じられる。

6月26日、国会本会議場で補正予算に関する施政演説を終えた李在明大統領
(写真=国会写真記者団)6月26日、国会本会議場で補正予算に関する施政演説を終えた李在明大統領

「財政正常化」に向けた歳入調整に10兆3000億ウォン

歳入調整には10兆3000億ウォン(約1兆300億円)規模が編成された。

李在明大統領は「歳入調整によって財政正常化の始まりを告げる」とし、「財政の安定性と、国会の予算審議・決定権を尊重するための決定だ」と説明した。過去2年間で総額80兆ウォン(約8兆円)以上の税収不足が発生し、今年も同様の事態が懸念されるなか、その対応策を講じる意図だ。

李在明大統領は「もし税収不足を放置すれば、政府は年末に大規模な予算不執行処理をせざるを得なくなる」とし、「政府が予算を計画どおりに執行できないだけでなく、地方財政への支援も削減される。これは実質的な緊縮財政の運営となり、民生と景気回復の妨げとなる」と主張した。

あわせて、透明な予算編成の重要性を強調しつつ、国会の協力を重ねて呼びかけた。「補正予算案に歳入調整を反映し、すでに編成された予算でも、必要な事業に対しては適切に執行していく」と述べ、「経済危機という干ばつを解消するための呼び水であり、経済回復に向けた最低限の措置である」と、補正予算の必要性を改めて強調した。

最後に、「政府が補正予算案に盛り込めなかった内容があれば、国会の予算審議過程で遠慮なく意見を出してほしい」とし、「ただ実用精神に基づき、国民の生活を見つめ、景気回復と経済成長の道を切り開くために最善を尽くす」と約束した。

(記事提供=時事ジャーナル)

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