日本の漫画の市場占有率が全体の3割を占めるといわれる韓国。古くは『ドラえもん』に始まり、最近では『ONE PIECE』『NARUTO -ナルト-』『進撃の巨人』など、さまざまなジャンルの日本漫画が翻訳出版されているが、そのなかには当然、サッカー漫画も多い。
1996~1998年には日本で有名な『キャプテン翼』も翻訳出版されているし、1991年10月から1992年9月までテレビ東京系列で放映された『燃えろ!ストライカー』は、『蹴球王シユットリ』とタイトルを変えて1993年に韓国で放映され、爆発的なヒットを呼んだ。
そのほかにもアニメでは、2002年ワールドカップ共同開催を記念して日韓合作で作られた『友情のグラウンド』『サンダーイレブン』と名を変えて劇場版映画も公開された『イナズマイレブン』など枚挙に暇がないほどだ。
コミックでも韓国で翻訳出版されている日本のサッカー漫画は多い。順に紹介していこう。
『シュート!』『俺たちのフィールド』『フィールド・オブ・ドリームス』『ホイッスル!』『ファンタジスタ』『ゴールデンデンエイジ』『ドリームシューター』といった日本のサッカー漫画が韓国語で翻訳されて発刊されている。最近では『エリアの騎士』などが人気だ。
ちなみに『キャプテン翼』は主人公たちが日本代表となって世界に挑む“ワールドユース編”などは翻訳出版されていない。一説には日の丸をつけた大空翼たちの活躍が韓国の読者には受け入れられないだろうと判断されたことも理由だそうだが、それは今から20年近く前の話。『エリアの騎士』はU-22日本代表へと成長していく過程が描かれているが、現在ではしっかり翻訳出版されている。
また、『ジャイアント・キリング』など監督が主人公になっている日本のサッカー漫画も翻訳出版されている。同作は一般紙の漫画コラムで推薦図書に選ばれるほど人気が高い。
ここまで紹介して気になるのは、韓国オリジナルのサッカー漫画のことだろう。何しろ韓国は8大会連続9回のワールドカップ出場を誇り、日本のJリーグよりも10年早い1983年にプロサッカーのKリーグが開幕した国。サッカー人気が高い国だけに有名漫画があってもおかしくはないが、これが意外と少ない。
有名なのは、『シューティング』と『暴走機関車』ぐらいだろう。
『シューティング』は、193センチの長身のゴールキーパーであるナ・ドンテが主人公。ゴールキーパーとしては有能ではなかったが、強力なシュート力を買われてストライカーに転向し、やがてワールドカップに出場するまでに成長する物語だ。
一方の『暴走機関車』はファンたちの間で“韓国サッカー漫画の自尊心”と呼ばれる漫画。全22巻となっている。
前へ
次へ