日本で1990年10月から週刊少年ジャンプで連載が始まった『SLAM DUNK』は、韓国では漫画出版社「大元(デウォン)C.I.」を通じて1992年12月27日に翻訳版第1巻と第2巻が同時に発売された。
その後は翌1993年1月11日に第3&4巻、同月25日に第5&6巻、30日に第7&8巻といったハイペースで単行本を発売し続け、第11巻からは日本の約2カ月後に韓国で最新刊が発売される形に。最終31巻は日本(1996年10月8日)の約3週間後である同月30日に発売された。
「大元C.I.」の資料によると、韓国国内での『SLAM DUNK』の販売部数は1450万部以上とされている。韓国では1997年から男子プロバスケットボールリーグのKBLがスタートしているが、発足の背景には『SLAM DUNK』の影響があったとも伝えられているほどだ。
また、テレビアニメ版は「大元メディア」が発売したVHSやテレビ局SBSの放送で公開。特に「大元メディア」のVHS版では、『君が好きだと叫びたい』(BAAD)や『あなただけ見つめてる』(大黒摩季)といった主題歌が韓国語に翻案され、韓国歌手によって歌われた。一方のSBS放送版では、自主制作されたオープニングやエンディング曲が使われたことで国内での人気を集めたという。
そんな韓国の『SLAM DUNK』では、登場人物や高校名がすべて韓国式に変えられている。
例えば湘北高校は「サンブク高校」となり、主人公の桜木花道は「カン・ベクホ」に。主要メンバーでは流川楓が「ソ・テウン」、キャプテンの赤木剛憲が「チェ・チス」、宮城リョータが「ソン・テソプ」、三井寿が「チョン・デマン」となっている。
ほかでは、“メガネ君”こと木暮公延が「クォン・ジュンホ」、ヒロインの赤木晴子が「チェ・ソヨン」、マネージャーの彩子が「イ・ハンナ」、安西先生が「アン・ハンス」に。
対戦校の主要キャラでは、陵南高校の仙道彰は「ユン・デヒョプ」、魚住純は「ビョン・ドッキュ」、翔陽高校の藤真健司は「キム・スギョム」、海南大付属の牧伸一は「イ・ジョンファン」。全国大会編では豊玉高校の南烈が「ナム・フン」、山王高校の深津一成が「イ・ミョンホン」、河田兄弟は兄・雅史が「シン・ヒョンチョル」、弟・美紀男が「シン・ヒョンピル」、沢北栄治が「チョン・ウソン」と変更されている。
ちなみに、韓国ではDeNAが制作したオンラインモバイルゲーム『SLAM DUNKモバイル』が2020年7月にリリースされ、現在も人気を博している。今月1日には、最新アップデートで翔陽高校の7番「永野満(韓国名:イム・テクジュン)」が追加されることが発表されていた。
このように、韓国でも“国民的漫画”として20年以上に渡り愛され続けている『SLAM DUNK』。日本では公開前から賛否両論が飛び交う映画『THE FIRST SLAM DUNK』が、韓国でどのような反応を集めるかに注目したい。
(文=サーチコリアニュース編集部H)