プロスポーツで最高のマーケティングは成績だという。
それを如実に表しているのが、600億円の巨額を投じて最新式球場が建設したにもかかわらず、すでに観客数が半数に減り始めた日本ハムの状況だ。
18日、北海道北広島市のエスコンフィールドで行われた日本ハム対千葉ロッテマリーンズの試合は観客数1万6606人を記録した。今シーズン、エスコンフィールドで行われた7試合のなかでは最も少ない観客数だ。
去る3月30日の東北楽天ゴールデンイーグルスとの2023年シーズン開幕戦では3万1092人が入場。今月1~2日の週末の楽天戦もそれぞれ3万637人、3万775人と“門前成市”の勢いを続けた。
しかし、直近の週末3連戦である14~16日の埼玉西武ライオンズ戦では、2万6602人、2万3269人、2万1725人と観客が減り続けた。そしてついに、18日の試合では2万人も切り、興行に赤信号が灯った。
原因は日本ハムの成績不振のためだ。
まだシーズン序盤で16試合しか行われていないとはいえ、セパ12球団で最も低い勝率0.250(4勝12敗)としている。チーム防御率(0.366)は最も高く、チーム打率(0.203)は2番目に低い。
昨季もパ・リーグ最下位で底を打った日本ハムは、2019年シーズンから4年連続Bクラスという不振から抜け出せずにいる。就任2年目を迎え、結果を出さなければならない“変わり者”新庄剛志監督の表情も日増しに暗くなっている様子だ。
計600億円をかけて3万5000席規模で建設されたエスコンフィールドは、日本史上7番目のドーム球場であり、福岡ソフトバンクホークスのホーム球場PayPayドームに次いでアジア2番目の開閉式ドーム球場として最新施設を誇る。
世界最大級のサイズの電光掲示板が一塁側と三塁側に設置され、14台のエスカレーターも随所に設置されている。球場内の複合施設であるホテル及び温泉、サウナでも野球を観戦することができる。
球場を中心に周辺一帯も開発し、地域経済発展のためのランドマークとして建てられたエスコンフィールドだが、交通不便によるアクセスの問題がまだ解消されていない。
何より、日本ハムの成績不振が今後も続くようであれば、その効果は微々たるものになってしまうと言わざるを得ない。
(記事提供=OSEN)