ファビョン(火病)は、胸部の不快感など身体的症状を伴う、うつ病の一種だ。
英語でも「hwa-byung」と表記されるほど、韓国人に頻発する疾患だ。特に旧正月や秋夕(チュソク)など、大家族が集まる祝祭日の連休前後に患者が増加する特徴を持つ。
主に中年女性に多く見られるファビョンの最大の原因としては、人間関係や生活苦によるストレスが挙げられる。
ストレスの主な原因を取り除くことが最善策ではあるが、家族内の葛藤などの問題は、その性質上、短期間で解決するのが難しいことが多い。結果的に、当面は個人の健康管理を通じてファビョンの予防や克服を図るしかないということだ。
大型連休ごとに繰り返されるファビョンの予防、および克服方法について見ていこう。
まず、ストレス管理は、ファビョンの予防・克服において最も重要な要素といっても過言ではない。現在生じているストレスが蓄積しないように、ストレスを引き起こした相手や家族、友人などに即座に表現することが重要だ。
ただし、ストレスを表現する際に、毎回怒る必要はない。怒った直後は一時的にすっきりするかもしれないが、すぐに自責感などの否定的な感情が押し寄せ、結果的により多くのストレスを経験しやすい。したがって、ストレスを感じたときは一旦その場を離れ、心を落ち着かせた後、冷静かつ率直に感情を表現することが大切だ。
次に、アルコールやカフェインなどの成分は中枢神経系に影響を与え、結果的にファビョンを悪化させる危険がある。
特にファビョン患者が怒りを抑えようとアルコールに依存するケースが少なくないため、注意が必要だ。コーヒーに含まれるカフェインも、ストレスで覚醒した精神をさらに刺激し、睡眠を妨げる可能性があるため控えるべきだ。
ファビョンも明確な精神疾患の一種だ。迅速な病院での治療が完治の確率を高め、慢性化のリスクを下げることを意味する。
したがって患者本人はもちろん、家族もファビョンが専門的な治療を必要とする精神疾患であることを認めるべきだ。患者本人が治療を拒否する場合も多いため、家族が積極的に治療を勧めることも重要だ。
(記事提供=時事ジャーナル)
■年間11万人が“火病(ファビョン)”に苦しむ現代韓国。なぜ火病は韓国特有の病気なのか
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