日本から返還された高麗時代の螺鈿(らでん)箱が韓国で「宝物」に指定される。
韓国の国家遺産庁は10月31日、朝鮮王朝時代の仏画である「陜川海印寺霊山会上図」と「金泉直指寺釈迦如来三仏会図」を国指定文化遺産の「国宝」に指定すると発表した。
また、日本から返還された「螺鈿菊花唐草文箱子」をはじめ、「華城龍珠寺甘露王図」「襄陽善林院址出土の金銅菩薩立像」などを「宝物」に指定する予定とも明らかにした。
2023年に日本から返還された「螺鈿菊花唐草文箱子」は、高麗時代の美術工芸品。13世紀の作品と推定されており、蓋と本体、内部で空間を仕切る内箱で構成されている。横33.0cm、縦18.5cm、高さ19.4cmで、一般的な高麗時代の螺鈿漆器よりも小ぶりだという。
針葉樹系の木で作られた白木に布を張り、その上に骨灰を施して螺鈿を貼り付け、何度も漆を塗って仕上げる典型的な高麗時代の螺鈿漆器製作技法である「木心紵皮法」で制作された。
表面には全体的に770個の菊花唐草文様が配置されており、付随的に麻葉文(円を中心に水平、垂直、斜めの組み合わせで構成された幾何学模様)、亀甲文(亀の甲羅を模した模様)、連珠文(点や小さな円をビーズのように連ねた模様)が施されている。
「螺鈿菊花唐草文箱子」は、日本の個人収集家の倉庫で100年以上保管され、日本国内でもその存在が知られていなかったという。2023年7月にその存在が確認され、韓国国内への返還が実現し、同年9月にメディアで初公開された。
高麗時代の螺鈿漆器は、世界的に20点も現存していないとされており、非常に貴重だ。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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