韓国のオンライン動画配信サービス(OTT)「ティービング(TVING)」が厳しい局面に立たされている。
これは、Netflixが『イカゲーム』シーズン2の公開を機に再びユーザーを引き寄せ、「1位の座」を固めつつあるためだ。
これまで、NAVERプラスメンバーシップとの連携やプロ野球中継を武器に勢力を拡大してきた国内2位のティービングだが、Netflixの猛攻に対抗して再びユーザーを引き込む方法を模索する必要がある。
しかし、状況は容易ではない。プロ野球の空白をプロバスケットボールで補おうとしたが期待した効果は得られず、NAVERとの提携も今年3月に終了する予定だ。
データプラットフォーム企業「igaworkss」のモバイルインデックスによると、韓国における12月のNetflixの月間アクティブユーザー数(MAU)は1299万人で、前月比139万人増加した。
一方、ティービングのMAUは725万人にとどまった。新規インストール数でもNetflixは70万件を記録したのに対し、ティービングは25万件にとどまり、クーパンプレイ(Coupang Play)やディズニープラスにも後れを取った。
ティービングは2024年、プロ野球中継の効果を大いに享受していた。特にプロ野球が人気を博し、10月には初めてMAUが800万人を記録。Netflixのコンテンツ不振も相まって、両者の差を縮めることに成功していた。
しかしプロ野球のシーズン終了とともにユーザー離れが発生し、12月末に『イカゲーム』シーズン2を引っ提げて登場したNetflixが、ティービングの勢いを止めた。さらに、ユーザー減少が続いていたディズニープラスも、ドラマ『照明店の客人たち』を公開して利用者数を大幅に増やした。
ティービングとしては、現状の雰囲気を打開する必要がある。2023年末から公然と進められてきたティービングとウェーブ(Wavve)の合併は、韓国OTTの競争力を一気に引き上げるカードとして期待されているが、合併交渉は難航している。
また、これまでティービングの利用者増加を支えてきたNAVERとの提携も来る3月に終了予定だ。NAVERプラスメンバーシップの利用者によるティービング視聴サービスは、3月1日0時をもって終了し、2月1日からはメンバーシップのデジタルコンテンツ特典としてティービングを選択できなくなる。
一方でNetflixは、NAVERとのサブスクリプション提携を通じて勢いをさらに強めている。オリジナルシリーズを除く放送利用券のみを提供していたティービングとは異なり、自社の広告料金プラン(月5500ウォン=約600円)をNAVERプラスメンバーシップ(月4900ウォン=約530円)の特典としてそのまま提供し、利用者数を増やしている。
このタイミングが『イカゲーム』シーズン2の公開と重なり、その効果が顕著に表れている。
ティービングは利用者の獲得に向けた施策を検討している。
最近では、スマートフォンユーザーのコンテンツ消費傾向に合わせ、モバイルに最適化された縦型ショートフォームサービスを開始した。今年は、ドラマやバラエティなどの自社制作ショートフォームオリジナル作品も公開する予定だ。
また、パラマウントプラスとの提携を終了し、Apple TV+と提携した。『Pachinko パチンコ』などApple TV+の人気作品を活用して利用者を引き付ける計画だ。ただし、Apple TV+の「ブランド館」で作品を視聴するには、プレミアム料金プラン(月額1万7000ウォン=約1800円)への加入が必要だ。
特に最近では、低コストでコンテンツを視聴できる広告付き料金プランの利用者を増やすためのプロモーションに注力している。このためKTとの協力も続けている。
KTの「ヨゴ」プラン(月額4万ウォン=約4300円でデータ30GB提供)利用者がティービングの広告付き料金プランを利用できるよう、プロモーション期間を6月30日まで延長した。
また、NAVERプラスメンバーシップとの提携終了に伴い、「グッバイイベント」として、NAVERプラスメンバーシップ経由でティービングを利用していた会員を対象に、大規模な感謝プロモーションを実施中だ。
現在も契約中のユーザーには、2月から3カ月間、月間利用券を50%割引で提供する。現在ティービング利用券を契約しておらず、広告付き料金プランの利用歴がない場合、初月は100ウォン(約11円)で広告付き料金プランを利用でき、その後の3カ月間は50%割引料金が適用される。
(記事提供=時事ジャーナル)
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