韓国で財物損壊・暴行・詐欺など各種犯罪行為で1審で実刑判決を受けた20代の男性が、2審でわずかに減刑された。
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ただ、2審の裁判官は異例にも、同男性の過去の犯罪歴を列挙し、15分にわたって大声で叱責した。
5月14日、地域法曹界によると、全州(チョンジュ)地方裁判所・第1刑事部(キム・サンゴン部長判事)は、財物損壊・暴行・住居侵入・詐欺などの容疑で拘束起訴された20代男性A氏に対して懲役10カ月を言い渡した1審判決を破棄し、懲役9カ月を言い渡した。
地裁は1審から減刑した理由について、「量刑で有利に見ることはあまりない」としながらも、「一部の被害者のために刑事供託を行い、それを被害者が受け取ると明らかにした点を考慮した」と説明した。
ただし、裁判長のキム部長判事はこの日の判決の場で、約15分にわたりA氏の過去の犯罪行為を列挙し、同氏を叱責した。
キム部長判事は「被告人は幼いころに3回も保護処分を受け、満20歳を超えて成人になってからは、暴行や傷害などによって罰金(刑)だけで5回だ」と述べたうえで、「2022年にも私が裁判をしていたらこんなことはしなかっただろうが、まさに天使のような判事に出会い、執行猶予を受けた。それも父親が走り回り、(被害者たちに)許しを乞うた結果だ」と皮肉った。
キム部長判事はA氏がこれまで犯した犯行の一つ一つについて、「“目が合ったから”、“ぶつかったから”といって人に喧嘩を売ったり、出動した警察に暴言を吐いたり、裁判に出廷するよう命じられても来なかったりした」と述べ、「とにかく犯行があまりにも多くて、いちいち数えるのも、メモを取るのも難しいくらいだ」と嘆いた。
併せて、キム部長判事はA氏に対し、「一人しかいない子どもが事故を起こすたびに、被害者を訪ねて許しを請う父親のことを一度考えてみなさい」と述べ、「(刑務所を)少し早く出るか、遅く出るかが重要なのではない。親や社会、周囲の人々に対する態度を改めなければ、こうしたことはまた繰り返されるだろう」と諭した。
なお同日、囚人服姿で法廷に出頭したA氏は、うなだれたままキム部長判事の叱責を黙って聞いていた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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