日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が来年度からすべての大会の放映権はJLPGAに帰属するとして、ゴルフ専門動画配信サービスでの有料放送開始を進めていることを受けて、ちょっとした問題が起きている。
「GMOインターネットレディース・サマンサタバサグローバルカップ」を主催するGMOインターネットグループが、来季の大会主催を辞退したと発表したのだ。
詳しい背景は続報を待つばかりだが、主管者による慣例やルールの変更は、ときに大きな混乱を招くこともある。
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しかも日本の女子ゴルフとなると、その影響は外国人ゴルファーにも及ぶこともある。
例えば、クォリファイングトーナメント(QT)だ。
翌年度の女子ツアーおよびステップ・アップ・ツアーへの出場ライセンスを取得するためのトーナメントだが、2019年からはQTの出場資格が「JLPGA正会員のみ」に改められたことで、QTを受験する韓国人ゴルファーが激減した。
QTの出場資格以上に、放映権に関する問題は影響力が大きいだろう。
というもの日本女子ツアーは、「中継するテレビ局がスポンサーとなって試合を増やしてきた歴史がある」(『スポーツ報知』)からだ。
それは韓国女子ツアーも似ている。
韓国女子ツアーは現在、SBSが主幹放送社となっているのだが、SBSは2014年シーズンからゴルフ専門チャンネル「SBSゴルフ」を通じて、全試合、全ラウンドを一日5時間以上も生中継してきた。1部ツアーはもちろん、2部ツアーやシニアツアーも中継している。
そんな背景もあって、キム・ヒョージュやチョン・インジ、パク・ソンヒョンなど次々とスター選手が注目を集めるようになり、アン・ソヒョンなどは2部ツアーに降格した後も高い人気を誇っているといえるだろう。
実際に韓国女子ツアーは2013年22大会から、2014年26大会、2015年29大会、2016年33大会と右肩上がりに試合数が増えている。
さらに中継は選手たちのモチベーションにも影響を与える可能性まである。
事実、韓国メディアの取材に対してとある韓国女子ゴルファーは、「(ファンが)選手たちのプレーする姿をより長く視聴できるという点で、選手たちも一生懸命プレーするようになり、それによって韓国女子ツアーがさらに発展できたと思います」と話していた。
SBSは2016年に契約を5年延長しており、2021年まで独占中継していくという。生中継はツアーの人気や発展において非常に重要なファクターだけに、韓国女子プロゴルフ協会も早めに手を打っているのだろう。
日本女子ツアーには、数多くのギャラリーを集めるイ・ボミや、水着姿も話題となる写真集を発売したアン・シネなど日本で注目を集める韓国人ゴルファーも多い。
大会数が減ったり、テレビ中継が難しくなってきたりすれば、そういったスター選手たちへの影響も免れないだろう。
それだけに、日本女子ツアーの放映権に関する問題も円満に解決してほしいと願うばかりだが…。
文=慎 武宏
*この原稿はヤフーニュース個人に掲載した記事を加筆・修正したものです。
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