BTSの兵役免除をめぐる議論について韓国国民はどう考えているのか、アンケート調査で見えた現実

2022年04月08日 話題
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グラミー賞授賞式に参加し、全世界に存在感を示したBTS(防弾少年団)。彼らが7人の完全体で活動できるのは、ひとまず今年までとなるかもしれない。

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最年長メンバーであるJINが今年12月に満30歳となり、兵役の義務を果たさなければならないからだ。

そんな現状があるなか、韓国では長らくBTSを兵役免除にすべきではないかとの意見が出ていた。彼らの韓国文化に対する貢献度や経済効果を考えると、兵役に2年の月日を費やすことは、国益にそぐわないという声だ。

実際に韓国国防部は2020年12月に兵役法の一部改正を公布し、一定の条件を満たした“大衆文化芸術分野の優秀者”は、入隊を満30歳まで延期できるようにした。JINが現在、入隊していないのも、この改正が行われたからといえる。

しかし議論は入隊の延期にとどまらず、事実上の“兵役免除”、つまり「代替服務」を許可すべきというところまで来ている。代替服務とは、特定の資格を持つ人に対して、軍服務の代わりに特定分野の社会活動に参与することで、国防の義務を果たせるようにすることを意味する。サッカー選手ならサッカーで、芸術家なら芸術活動で兵役を“代替する”という制度だ。

ただ現状の代替服務では、K-POPアーティスト(大衆文化芸術人)は対象外となっている。そんな代替服務が可能となる「芸術・体育要員」に、大衆文化芸術人も含めようというのがBTSをめぐる動きといえるだろう。

BTS

ちなみにBTSメンバー本人たちの意思は、ここまでの議論で何も含まれていないことは看過してはならないだろう。彼らが兵役免除を求めたことは一度もない。

そんななか韓国メディア『ディスパッチ』が興味深いアンケート調査を行った。「兵役特例に関する対国民認識調査」だ。世論調査会社EMBRAINに依頼し、全国満14~59歳を対象に行われた。

いくつか抜粋してみよう。

まず、オリンピックやアジア大会、ピアノコンクールなどで一定の成果を上げることで、代替服務が可能となる「芸術・体育要員」についての質問だ。一見、“特別な恩恵”のようにも思えるが、そもそも同制度を韓国国民はどう見ているのだろうか。

「芸術・体育要員」制度は必要かという問いに、実に回答者85%が「必要」(「とても必要」18%、「どちらかといえば必要」67%)と答えた。

ただ、「芸術・体育要員」制度のうち、「芸術要員」となれる基準をよく知っているかという質問には、73%が「まったく知らない」と答えている。それも仕方ないかもしれない。

入賞者が「芸術要員」となれる国際音楽競演大会(計28大会)は「シベリウス国際ヴァイオリン・コンクール」や「Dr. Luis Sigall国際音楽コンクール」などで、そちら方面に興味がない人は聞いたこともない可能性がある。国際舞踊競演大会(計9大会)も同様だろう。

そのため「基準の改善が必要だ」との意見が70%にも上った。では韓国国民が「芸術要員」制度に含めるべき分野として最も支持したのは、「K-POP」(65%)だった。

そして圧倒的な韓国人が必要としている「国威宣揚」と「文化暢達」において、最も貢献している人物が「BTS」(64%)なのだ。映画『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督が15%で次点であるため、圧倒的な支持率といえよう。

ここまで来て最も重要な問いだ。K-POPアーティストなどの「大衆文化芸術人」に代替服務制度を適用すべきかどうかという質問だ。実に78%が「共感する」(「とても共感」12%、「共感」67%)と肯定的に答えた。

以上のアンケート調査をまとめて見ると、今現在最も国威宣揚に貢献しているBTSが代替服務で兵役義務を果たすことに抵抗を持つ韓国国民は、それほどいないと見ていいだろう。

とはいえ、芸術要員に編入できる明確な基準もなく、BTSメンバー自身も入隊の意思を明かしたことがあるため、彼らの“兵役免除”が実現する可能性はそれほど高くないというのが冷静な視線だろう。

(文=サーチコリアニュース編集部)

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