侍ジャパンが圧倒的な戦力で1次ラウンドを全勝通過した。
二刀流の大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)や最年長ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)をはじめ、吉田正尚(ボストン・レッドソックス)などのメジャーリーガーを招集した。また、日本人の母親を持つラーズ・ヌートバー(セントルイス・カージナルス)も、WBCの規定により合流できた。
当然、日本国内のベストメンバーも集結した。山本由伸(オリックス・バファローズ)や佐々木朗希(千葉ロッテマリーンズ)、村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ)、山田哲人(東京ヤクルトスワローズ)、岡本和真(読売ジャイアンツ)、山川穂高(西武ライオンズ)、近藤健介(福岡ソフトバンクホークス)など、各チームの中心打線が一堂に会した。
大会前には4番候補の鈴木誠也(シカゴ・カブス)が負傷で外れたが、戦力そのものに大きな打撃はなかった。ダルビッシュと大谷が中心となり、チーム一丸で雰囲気が最高潮に向かった。ダルビッシュが主催して大会直前に全選手で食事会を開くなど、団結力を育てた。
また、侍ジャパン初の日系選手ヌートバーが適応するために大谷が積極的に乗り出した。大谷は大会前、阪神タイガースとの強化試合で本塁打を放った後、ヌートバーがメジャーリーグで行うペッパーグラインダー・パフォーマンスを披露。これにヌートバーは活力を吹き込む発するプレーで応え、チームの雰囲気を盛り上げた。
今やペッパーグラインダー・パフォーマンスは侍ジャパン全体が行うセレモニーとなっている。ヌートバーの自然な適応に、大谷が決定的な役割を果たした。
元々圧倒的な戦力が、雰囲気まで良くなればどのチームも勝てなくなった。中国との初戦では試合の流れがややこじれているように見えたが、8-1で勝利。そして日韓戦では韓国を圧倒し、コールドゲーム寸前の13-4で大勝した。その後、チェコを10-2、オーストラリアを7-1で下し、優勝に向けた“快足疾風”を続けた。
1次ラウンド4試合で38得点、1試合当たり9.5得点と打線が爆発すれば、投手陣はわずかに8失点しか与えなかった。4試合の防御率は1.50(36回、自責点6)に過ぎない。
投打の完璧な調和による簡単な1次ラウンド突破は、日本の圧倒的な戦力を物語っている。はたして日本は2009年大会以来14年ぶり3度目の優勝までスムーズに走り抜けることができるだろうか。
(記事提供=OSEN)