新種コロナウイルス感染拡大の長期化、都市地域の住宅価格の上昇、農漁村への関心の増加などが複合的に作用した結果、お隣・韓国ではひっそりと帰農・帰村する人が増加傾向にある。
韓国の農林畜産食品部、海洋水産部、統計庁が発表した「帰農魚・帰村人口統計」調査結果によると、2021年の帰農・帰村世帯は37万7744カ所で、前年より5.6%増加したことがわかった。
帰農・帰村する年齢は全年齢で増加傾向にあるが、なかでも60代世帯は16.4%も増え、5万7492世帯に達した。昨年30代以下も15万8600世帯で、前年比5.0%増えた。
農林畜産食品部によると、30代以下の青年農の増加は「農村に対する認識変化」と、政府による支援体制の強化の影響が大きく、60代は都市に居住するベビーブーム世代(1955~1963年生まれ)の引退が本格化した影響と分析した。なお、30代以下の帰農・帰村人口は23万5904人で、全体の45.8%を占め、2021年の帰農・帰村率を大きく牽引した。
こうした結果に、韓国内でも「田舎で安い家賃で気楽に暮らすのが気楽だ」「デジタル農業をする若者も増えていきそうだ」「こんな不景気では、無理に都会で暮らす必要もない」など、地域活性化を尊重する意見が目立った。
「こんな村嫌だ」と都会に出る人も多いが、その先に待つのは高い家賃と物価だ。無理して背伸びするよりのんびりスローライフを送るのも賢い選択と言えるのかもしれない。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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