あまりにも杜撰な状態で金融機関と名乗っても良いのだろうか。
韓国の大手銀行「ウリィ銀行」のことだ。
今年1月、707億ウォン(約78億円)を横領した疑いでウリィ銀行元職員に懲役15年、その弟(43)に12年が言い渡された。
それだけでなく、2017年から昨年まで、2018年を除いて毎年横領事故が起きているのだ。金額が最も大きい事例が前出の事件である。
最近では、ある地方の支店職員が約9000万ウォン(約1億円)を横領(2023年)し、ソウルのある支店職員は今年3~8月にかけて顧客の公共料金約5200万ウォン(約600万円)を横領。また昨年12月には、フィリピン現地法人でも20億ウォン(約2億3000万円)の資金が流出している。
そんなコンプライアンスガバガバなウリィ銀行で、またしても横領事件が発生したのだ。
約100億ウォン(約11億円)を横領した疑惑の30代職員は最近、警察の調査で「横領金額の大部分を仮想通貨に投資した」と陳述したという。慶尚南道(キョンサンナムド)のある支店に勤めている同職員は、今年頭から融資申請書、入金関連の書類を偽造して融資金を横領した疑いが持たれている。
ウリィ銀行はモニタリングで貸出過程の異常を捉え、問い詰めた職員が自首する形で発覚。警察は、職員が横領した金が仮想通貨などに投資され、約40億ウォン(約4億6000万円)の損失があったとしている。
大金に目がくらんで横領に手を染めてしまうことは、絶対にないとは言えない。ただ、ウリィ銀行の場合は件数、金額とともに以上であることは間違いない。
今後も金融機関として存続できるのだろうか…。
前へ
次へ