最近、韓国の国会で「消火器テロ」「カッターナイフ自傷行為」「ハサミによる脅迫」などの凶器騒動が絶えず発生しているなか、実際に国会庁舎内への「刃物類」など禁止物品の持ち込み摘発件数が毎年増えていることが確認された。
政界では、国会事務処の防護人員や装備が現状維持されているため、防護をさらに強化すべきだとの声が上がっている。
国会・運営委員会所属のカン・スング議員(国民の力)室が国会事務処から提出を受けた資料によると、2021年から今年までの庁舎内の禁止物品持ち込み(拳銃、手錠、ガス銃、三段棒、電気ショック器、刃物類、デモ用物品)摘発件数は、数倍という増加傾向を見せている。
2021年には1297件だったが、2022年に2322件、2023年に3776件、そして2024年は10月時点で4041件を記録した。
このように過去4年間で計1万1436件の禁止物品が持ち込まれており、その中で「デモ用物品」が7418件(64%)で最も多くを占め、「刃物類」も計3702件で32%に達していた。
「拳銃」や「ガス銃」などの護衛物品は、警察をはじめとする治安当局が所有していたものが誤って摘発された一方で、「刃物類」は一般の参観者が所持して摘発されたため、庁舎内の安全に脅威を及ぼす可能性があるといえる。
実際に、国会内部での騒乱行為も絶えず発生する傾向にある。
2022年から今年までに国会内部で発生した騒乱行為は143件に達し、2022年には48件、2023年には63件が発生し、今年も10月までに32件発生している。代表的な事件として、2023年9月にイ・ジェミョン共に民主党代表の支持者だと主張する70代の男性が、本庁内部で凶器を手に血書を書こうとして制止される事件があった。
国会敷地内の防護環境も一部改善された。2022年から今年までの防護装備の保有状況によれば、2022年までまったくなかった防刃手袋や防刃服が2023年末に、それぞれ10セットと5セット初めて導入された。これは2023年に発生した事件に関連して防護を強化するためのものだ。ただ、ガス噴射器(15台)、三段棒(22本)、警棒(20本)は3年間増減なく現状維持となっている。
また、防護人員も現在の定員(134人)を埋めることができず、122人にとどまっていることが明らかになった。
これについて国会事務処の関係者は、通話で「防護人員については、最近の名誉退職などが重なり、定員との差が生じたもの」と述べ、「先日、護衛企画室で9級職員15人を新規採用した。彼らの教育が終われば12月頃に新たに配置され、人的資源が一層強化される予定」と明らかにした。
カン・スング議員は『時事ジャーナル』に対して、「凶器騒動、本館侵入、騒乱行為など国会敷地内を混乱させる事件が毎年発生しているにもかかわらず、国会事務処の対応は足踏み状態だとの指摘がある」と述べた。
続けて「民意の殿堂である『国会に対する攻撃』は、すなわち『国民に対する脅威』である。今回の運営委員会の国政監査を通じて、国会事務処の防護現状および安全管理の実態を徹底的に監査するつもりだ」と伝えた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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