韓国統一部のキム・スギョン次官がトランプ政権1期目とは異なり、現在は北朝鮮軍のロシア派兵など国際情勢の影響で、アメリカが北朝鮮に積極的に対話を提案しにくい状況だと評価した。
キム次官は11月15日、KTVの番組『生放送 大韓民国』に出演し、「北朝鮮が現在、ウクライナとロシアの戦争に派兵しており、ヨーロッパや全世界を脅かす状況で、各国が北朝鮮に背を向けている」とし、「アメリカが北朝鮮に積極的に会おうというのは難しい状況かもしれない」と述べた。
また、彼女は「北朝鮮が引き続き核を高度化し、法制化まで進めているなかで、アメリカが非核化を前提にした対話を実現するのは難しくなっている」とし、「ドナルド・トランプ候補が再選前に選挙キャンペーンで金正恩(キム・ジョンウン)と会い、友好関係を維持すると語っていたが、実際に大統領に就任すれば計算が変わる可能性があり、当選後の状況を注視する必要がある」と説明した。
さらにキム次官は「韓国政府としては、強化された韓米同盟を基盤に、新たなアメリカ政権と緊密に協力し、外交政策の立案段階から政策を調整していく」と述べた。
キム次官は、北朝鮮がロシア派兵の見返りとしてロシアから先端軍事技術を提供される可能性について懸念を示し、「政府は特に軍事偵察衛星関連技術の提供を懸念している」と明らかにした。
さらに「北朝鮮は昨年末の労働党全員会議で2024年に軍事偵察衛星3基の打ち上げを公言し、今年5月に1度目の打ち上げを試みたが失敗した」と述べ、「公言通りなら残り2回の発射があり、追加発射の動向を注視している状況だ」と付け加えた。
キム次官は最近、北朝鮮のメディアが「大韓民国を徹底した敵対国家と規定する共和国憲法」と表現した点を根拠に、金正恩委員長が指示した「敵対国家」という表現が改正憲法に反映された可能性があるとの見解を示した。
ただ、領土条項や統一に関する事項は、南北間の軍事的対立状況で北朝鮮にとって負担となる可能性があり、統一は先代指導者の遺訓として強調され続けてきたため、改正憲法に反映されたかは疑問だと述べた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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