定期的に話題になる韓国の盗作騒動。これまで『ONE PIECE』『鬼滅の刃』『ポケットモンスター』『逃げるは恥だが役に立つ』『千と千尋の神隠し』など、日本を代表するビッグコンテンツの模倣が提起されてきた。
その流れは2022年も収まらず、日本の最新人気マンガや巨匠の作品の盗作疑惑が浮上した。
5月には、現在アニメが絶賛放送中の『チェンソーマン』を真似たのでは?という指摘が出たのだ。
同月23日、NAVERウェブトゥーンの運営は「10日から公開が開始した新作『魑魅魍魎(イメマンリャン)』(原題)の一部設定が、特定作品(『チェンソーマン』)を具体的に連想させるという読者の多くの指摘があった」とし、「問題になった序盤の原稿を修正し、今後、再オープンしようと思う」と発表した。
『魑魅魍魎』が『チェンソーマン』を盗作したと指摘されたのは設定だった。『チェンソーマン』は、チェンソーの悪魔ポチタを体に宿したでデンジが悪魔を狩るというダークヒーロー作品なのだが、『魑魅魍魎』は、主人公が朝鮮時代の悪鬼によって命を失うも蘇り、魑魅魍魎を狩るという設定が酷似しているとされた。
この盗作疑惑により、同作は2話で連載中断。運営は「再オープン」と言及していたが、あまりにも短すぎる連載となってしまった。
盗作疑惑が出たのはマンガだけではない。7月には、歌手イ・ムジンの楽曲『Traffic light』がやり玉に挙がっている。
イ・ムジンの所属事務所は7月20日、「『Traffic light』はアーティスト本人が直接体験した感情を土台に作られた創作物であり、全体的な曲の構成とメロディ、コード進行などを分析した結果、類似疑惑が提起された曲とは関係がないことをお知らせする」と公式発表。
これは、とあるオンラインコミュニティに、イ・ムジンが2021年5月にリリースした『Traffic light』が、「SEKAI NO OWARI」の『Dragon Night』、「DEPAPEKO」がカバーした同曲のアコースティックバージョンと類似しているという主張が掲載されたことに端を発する。
しかし、この件は事務所が分析した結果、類似疑惑が提起された曲とは無関係としており、むしろ虚偽を広めた者には強行対応するという声明まで出したあと、鎮静化することとなった。
なお上記2件以上に深刻な事態に陥ったケースもあった。ベテラン作曲家に盗作疑惑が浮上したのだが、それが1つではなく複数だったためだ。
去る6月、韓国では日本の巨匠・坂本龍一の曲を盗作したという疑惑が提起され、議論になった。疑惑を持たれたのは、長年にわたって一線で活躍してきた作曲家のユ・ヒヨル。彼が2021年秋から始めた『ユ・ヒヨルの生活音楽』というプロジェクトで発表した『とても私的な夜』という曲と、坂本龍一の『Aqua』が似ているという主張が飛び出たのだ。
これについてユ・ヒヨルは盗作を認めて謝罪。「曲のメインテーマが十分に似ているということに同意することになった。発表当時、純粋な創作物と考えたが、2曲の類似性は認めざるを得なかった」と頭を下げた。
また「十分に観察できず、多くの方々に失望を与えたことに対して謝罪の言葉を申し上げる。そして何より坂本龍一先生とファンの方々を不愉快にしたことについて、謝罪する」と伝えた。
しかし、その余波は収まらず、次々と盗作疑惑が指摘される事態に発展する。
というのも、ユ・ヒヨルが作詞、作曲、編曲を担当したソン・シギョンの『Happy Birthday to You』と玉置浩二の『HAPPY BIRTHDAY~愛が生まれた~』、ユ・ヒヨルの『Please Don't Go My Girl』とパブリック・アナウンスメントの『Body Bumpin』が似ていると、相次いで指摘される事態に。
なかでも作曲家兼ピアノ演奏家JUNJO(ジュンジョ)は、ユ・ヒヨルの『私が点く時間』と坂本龍一の『1900』の比較動画をユーチューブにアップし、盗作したのではと指摘したほどだ。
この余波は避けられず、ユ・ヒヨルは13年3カ月続いた長寿冠番組が600回で放送終了となり、『ユ・ヒヨルの生活音楽』アルバムのLPと音源発売が取り消しに。あまりにも痛すぎる代償となってしまった。
インターネットが発達したことにより、海外の情報も容易に手に入るようになった現代。スマホやPCの画面を通して観たものが、無意識に創作物に反映されることもあるのかもしれない。
だが、盗作が犯罪であることに変わりはない。いずれにせよ、一日も早く、そのようなニュースが隣国から聞こえてこくなる日が来ることを願うばかりだ。
(文=サーチコリアニュース編集部K)
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