カカオジャパンが運営する電子マンガ・ノベルサービス「ピッコマ」は、2020年7月にApple・Google各ストア上でのカテゴリのセールスNo.1となり、2020年は年間累計でも日本のマンガアプリのトップとなった。
【関連】日本の漫画とは違う…!? ここ数年で急成長した韓国ウェブトゥーン業界の事情
「ピッコマ」では、もちろん日本のコミックも配信されているが、韓国発のウェブトゥーンも人気だ。
実際、2021年の韓国のウェブトゥーン産業売上高の規模は約1兆538億ウォン(約1538億円)となった。昨年の6400億ウォン(約640億円)に比べて、対比64.6%も増加した数値であり、2017年の実態調査以来初めて売上規模1兆ウォンを突破した。
文化体育観光部と韓国コンテンツ振興院は、2020年ウェブトゥーン産業実態を分析した「2021年ウェブトゥーン事業体実態調査」と「2021年ウェブトゥーン作家実態調査」報告書を発刊した。
売上中のウェブトゥーン関連の割合は平均64.9%となった。内訳は、有料コンテンツ売上(61.3%)、海外コンテンツ売上(12.1%)、出版売上(6.5%)、2次著作権売上(6.0%)、広告売上(4.7%)となる。
一方、ウェブトゥーンの不法流通による被害規模は約5488億ウォン(約548億円)と推定されている。
ちなみに、ウェブトゥーン作家の男女比は、女性66.5%、男性33.5%と、女性の方が多い。
このように、韓国でのウェブトゥーン産業が急速に成長している中、ちょっとした現象も起きている。それが、「首都圏偏重」思想だ。
なんと、韓国内のウェブトゥーン作家の10人中7人(71.5%がソウル・京畿・仁川に居住)は、地方から上京するなどして首都圏にて執筆活動を行っているというのだ。
各地方としては、有名作家には地域に貢献して貰いたいという思いもあるだけに、複雑な状況だ。
大躍進を続ける韓国ウェブトゥーン。元祖・漫画大国である日本もウカウカしている場合ではないかもしれない。
文=サーチコリア編集部
前へ
次へ