「いつか成功してやる」と意気込む人は多いが、実際に成功を手にする人は少ない。そんな目をそらせない現実が、お隣・韓国で可視化され、大きな注目を集めている。
韓国統計庁が最近発表した「2017~2022年所得移動統計」によると、2022年に前年と比較して所得の上昇や下落を経験した人は34.9%と集計された。
同じ状況を維持した人が65.1%で、約7割ということも明らかになった。
所得の変動があった人の中でも、「上昇」した人は17.6%だけだった。10人に2人という結果だ。
性別と世代別に見ると、男性(34.0%)より女性(36.0%)、高齢層(25.7%)より若年層(41.0%)のほうが所得の移動性が高い。
また、所得上位20%の所得維持率は86.0%で最も安定していることも判明した。この段階まで上がるのは難しいが、一度手に入れた成功はなかなか離れないということだろう。
一方で、所得下位20%の所得維持率も69.1%と高い結果に。つまり、低所得者はいつまでも低所得者のままであるということになる。韓国で富裕層と貧困層の両極化が定着しているということだ。
こうした結果に韓国内では、「競争力を育てないといけないのに、政府は政策ごとに特定企業の体力をそぐことばかり。これでは、上に上がることもできない」「既得権益の維持が優先されているのが、国の発展を妨げている」など、多くの意見が上がった。
韓国で所得の上昇を目指すには、多くの困難が伴う現状が浮き彫りになった。
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