日本を訪れる韓国人観光客が増加の一途をたどるなか、韓国人の国内旅行がその影響を受けている。
その象徴として、韓国屈指のリゾート地である済州島の人気低下が顕著になっているのだ。
2月21日、韓国空港公社によると、済州国際空港の国内線の運航便数が2022年は17万1754便だったが、2023年は16万1632便、2024年は15万6533便と、毎年減少していることがわかった。
同時に旅客数も2022年の2948万5873人から2023年は2775万9212人、2024年は2692万409人となり、たった2年間で8.7%減少した。
国内線の減少は航空券の値上げにつながる悪循環を招き、済州島の観光業にも悪影響を及ぼしている。
実際、済州島を訪れる国内観光客の数も3年連続で減った。2022年の1380万3058人から2023年は1266万1179人、2024年は1186万1654人と減少している。
今年に入っても済州島を訪れる国内観光客の減少傾向は変わらず、1月の国内観光客数は86万3583人にとどまった。前年同月(95万3547人)に比べ9.4%減少した数字だ。
1月に日本を訪れた韓国人観光客が96万7100人(日本政府観光局)だったことを踏まえると、10万人以上が済州島よりも日本を選んだことになる。
国内観光客が減少傾向にあるため、自然と外国人観光客を集めることに目が向かう。済州島を訪れた外国人観光客は1月に12万1308人となり、前年同月比で19.9%増加した。
ただ、ジレンマもある。
そもそも韓国を訪れる外国人観光客の中で最も多いのは、中国の460万人(韓国観光公社)だ。全体が1637万人であることを踏まえると、28.1%と大きな割合を占めている。
そのため韓国では、中国団体観光客に対するビザなし渡航の試験制度を検討し、出入国手続きの簡素化やノービザ入国の許可措置などを実施している。済州島では中国団体観光客に対し、30日間のノービザ滞在制度を実施している。
しかし近年、韓国では反中感情が高まっており、中国人観光客の増加が“済州島離れ”を加速させるとの指摘が後を絶たない。
ある旅行業界関係者も「消費額が大きく、滞在期間が長い中国人観光客は、我々の観光市場における最大の顧客だが、最近の反中感情の拡大により、国内観光客の回復は容易ではない状況だ」と述べ、「国民を満足させつつも中国人観光客を呼び込める対策を考える必要がある」と語った。
韓国の航空会社が日本の地方都市にまで路線を拡充するなか、韓国国内旅行の象徴である済州島の苦戦が続いている。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
■「もう二度とごめんだ!」中国人観光客が韓国にガッカリする理由
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