ジャイアントコーンの「そっくり商品」も……韓国で日本のお菓子の“パクリ”が絶えないワケ

2019年01月16日 ライフ
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関係者の説明によると「ピングレが持つアイスクリーム製造技術が集約された商品」らしく、「これでコーンアイス市場を制してみせる」と意気込みもあらわにしていた。

ところが、商品のコンセプトやパッケージデザインを見たネット民からは、たちまち「江崎グリコのジャイアントコーンにそっくりじゃないか」という“パクリ疑惑”が浮上。

(写真=ピングレ公式ホームページ)スーパーコーン

実際に二つの商品を比べてみると、円錐形のパッケージやアイスに乗せられたトッピング、パッケージに印刷された商品のイメージ写真まで“瓜二つ”で、当然のようにピングレへの批判の声が高まった。

しかし、ピングレは次のように疑惑を否定した。

「1980年代に発売した弊社の“ハリケーンコーン”のアップグレード版として、当時のデザインを採用したまで」

そう弁明してパクリ疑惑を否定したが、「多くの指摘を受けたため、パッケージデザインの修正を検討する」との見解を示した。

このパクリ疑惑は、韓国内でも厳しい視線を向けられた。

昔から韓国の食品業界で日本商品のパクリが蔓延していたのは事実だが、文化交流が活発となった今もなおパクリがなくならない現状に、さすがに多くの韓国人が悲嘆したのだろう。

日本のお菓子の“パクリ”が絶えないワケ

過去には日本のお菓子をパクったとして炎上したこともあった。

2016年3月には、韓国の製菓会社「オリオン」から発売されたスナック菓子「コブッチップ」が、ヤマザキビスケットの「エアリアル」にそっくりと炎上。

オリオン側は「エアリアルとは製造方法が違う」とかたくなにパクリ疑惑を否定したが、関係者が「エアリアル」の製造方法についてあまりにも詳しく知っていたため、かえって疑惑を深めたものだった。

(写真=オリオン公式ブログ)コブッチップ

昨年1月には同じくオリオンが、ロイズ(ROYCE’)の代表商品「生チョコレート」と類似する「マーケットオー・生チョコレート」を別ブラントから発売。

一部の消費者は「ロイズの正式輸入品と勘違いした」らしく、製造会社のオリオンに対して激しい非難の声が上がっていた。

韓国でパクリ疑惑が絶えない理由は何か。韓国メディア『アジアタイムズ』の取材に応じた関係者はこう話す。

「食品業界では新商品を成功させるのが難しいので、長期間の研究開発は損失を生むだけと考える傾向がある。だから短期間で売上を上げられる“MeToo戦略(成功商品を模倣するマーケティング戦略)”を選ぶのではないか」

多くのメーカーが革命的な商品の開発に相当な労力を費やす中、短期的な売上上昇にのみ費用を投下しているといったところだ。

他の関係者も、『時事オヌル・時事ON』の取材でこう指摘している。

「韓国内の不景気と、中国内の売り上げ不振などが重なって、食品メーカーらが安定的で保守的な方法を模索している。これは長期的に見ると国内業界の競争力を失うことなので、研究開発に集中する必要がある」

また、パクリが横行する背景には法律でしっかり裁けないことも理由の一つにあるらしい。

2014年には「ポテトチップス しあわせバター」(カルビー)から“インスパイア”された「ハニーバターチップ」(ヘテ・カルビー)が大ヒットし、韓国内で40個以上の類似商品が堂々登場した事例もある。

いずれにしても、韓国で絶えないお菓子のパクリ疑惑。

ネット上では「国の恥」という声も上がっているが、今後もパクリは絶えないのか。早急に対策が打たれることを願うばかりだ。

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